生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門 (文春新書 930)
- 作者: 松井孝典
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/08/21
- メディア: 新書
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「宇宙人っているのかなー?」
みたいに考えたことがある。
実際は、生命といってもバクテリアのようなものが存在するかどうかを
問う学問の話で、全体像を過不足なく書いているように思えた。
↓
F先生のファンなら、次の話に興味を覚えるだろう。
余談ですが、ここで化石観にかかわるベリンガー事件を紹介しておきましょう。
ドイツのヨハン・ベリンガーという人が、17世紀〜18世紀頃、ヴェルツブルクで
化石を収集していました。化石の石版図集を描いてもいます。
彼の本職は医者で、当時、名声を博していたようです。ベリンガーがヴェルツ
ブルクで化石を採取していることは、周知のことでした。そこで、彼の名声を
妬んだ者が、周辺にいろいろと変わったものを埋めておいたのです。ベリンガーは
そうとは知らずに、それを掘り出しては記述して本にしていきました。
自分の名前が入っている化石が出てきたことで、ベリンガーはようやく騙されて
いたことに気がつきます。彼が愕然として、大変なショックを受けたであろうこと
は、想像に難くありません。
ドラえもんで、タイムふろしきを使ってでたらめな化石を作る話があるが、
このベリンガー事件を元ネタにしていたのだった。さすがF先生。
↓
こういう話は余談だけれど、地球の極限環境(熱水噴出孔など)を調べる
ことで、そこにいる生物が生命の起源のヒントになるのではないか、と
いう話や、木星や土星の衛星でも同じような環境が観測されているので、
そこに生命がいる可能性などを論じていて面白かった。
といっても、高校の生物や地学を履修していないと、ちょっと難しい
部分もある。文系の人にとっては読みにくいかもしれない。
理系だったら、進学校の高校生とかにお勧めである。