先月、アニメ「無職転生」の2期が終わって、すごく緻密な設定だし

伏線も張り巡らされているのに、下ネタが邪魔をしているなぁ、と

いう感想を持った。

とはいえ、下ネタ抜きの「無職転生」も物足りない感じがする。

 

 

なんだかモヤモヤしているとき、これは美術でいうところのアウト

サイダー・アートではないか、とひらめいた。

理不尽な孫の手ヘンリー・ダーガーではなかろうか。

 

 

 

 

幸い、現在の日本ではネットに小説をアップロードする仕組みが

整っている。美術と違ってアカデミックな教育が必ずしも必要な

わけではないし、編集者にあれこれ言われることもなく作品を

世の中に出すことができる。

 

 

それが読者を獲得して人気が出れば、書籍化・アニメ化もされる。

考えてみればすごいサイクルができていて、ビジネスになっている。

私は日本のことしか知らないのだが、外国ではどうなのだろう? 

 

 

 

 

このシステムを支えるのは、作品を評価する読者や視聴者だろう。

レベルはピンきりだが、裾野は広い。

おそらくキリスト教圏やイスラム教圏では、なかなか育たない

のではないだろうか。

 

 

もちろん、アウトサイダーではなく、きちんと編集者が介入する

小説・マンガが存在してこその話だとは思うけれど。

 

*[映画]フラ・フラダンス

平日のサービスデーのレイトショーで観客は私ひとり。
なんと贅沢な。


福島のハワイアンリゾートを舞台にした正統派の青春もので
面白かったのだが、大ヒットには至らなかったようだ。



ぬいぐるみが喋るという設定が途中で封印されていて、
最後に正体が明かされる。
主人公が最初からぬいぐるみの正体を分かっていて、
一緒に研修生活を乗り切る、みたいな方向の話でも
よかったような気がする。
ただ、それだと仲間との関係が希薄になってしまいそう
なのでやめたんだろうけど、なんかもったいなかった。



この作品で、フラダンスの全国大会があることを知った。
そんなに普及しているとは思わなかった。
社交ダンスとかフラメンコとか、日本人はどうしてこんなに
外国の踊りが好きなのだろうか。
他の国でも同じように普及しているものなのか、ちょっと
知りたい。
(だって日本舞踊が外国でそれほど普及しているとも
思えないし、ましてショーに取り入れられている国も
ないだろう)


踊りと同様に料理もそうで、これほど多様な外国がルーツの
料理を楽しむ国も珍しいのではなかろうか。



あと、ハワイアンリゾートではちゃんと正社員採用して
ダンサーを育てていることも分かった。素晴らしい。
でも引退したダンサーは実際どうしているのだろう。
みんなが結婚して退職するわけではないと思うが。


どうでもいいことだが、男性のファイアーダンサーたちの
雇用とか育成もどうなっているのかちょっと知りたかった。

*[映画]アイの歌声を聴かせて

平日のレイトショーで観客は10人ぐらい。

ヨイショ記事があったので貼っておこう。

www.excite.co.jpこの記事でも触れられていたが、土屋太鳳の歌がとにかく

よかった。ミュージカルとは知らなかったのでちょっと

驚きました。

 

 

一点、気になるところを言えば、野見山さんが妙に都合よく

目撃者になっているな、ということだろうか。

監督の若さと伸びしろを感じさせる映画でした。

仕事をしていない私が言うのも何だが、世の中どうしてこんなに

働かなければならんのだろう? 

便利な道具が発明されたのに、高度成長期より働かされてない

だろうか。

 

 

残業代を払うということは、労働基準法で定められた時間を

超えて働かせたことに対するペナルティである。だから通常の

時間給より割増されている。

 

 

経営者は、労働者が毎日元気に働けるように労務管理をしなければ

ならない。残業ばかりさせているということは、労務管理ができない

無能な経営者であるということだ。

 

 

そしてご存知のとおり、日本の経営者の大半は無能である。

本来、経営者になる能力がない人がその地位についている。

 

 

新自由主義者が信奉する市場原理がはたらくなら、無能な

経営者は淘汰されてしかるべきである。

なぜそうなっていないかというと、労働者を搾取して利益を

あげているからだ。

 

 

なので、自民党日本維新の会のようなネオリベたちは、

労務管理ができない経営者たちをどんどん交代させて、

より能力のある経営者を増やすべきであろう。

 

*[本]みかづき

何年か前にNHK高橋一生主演でドラマ化されたのを見たが、
いまひとつピンとこなかった。
いまあらためて読んでみると、学習塾のクロニクルになっていて、
これは時系列どおりにきちんと映像化した方がいい作品だった。
(たしかドラマは現代編が最初の方にあったと思う)


私も中学生相手に塾講師をしていた経験があるので、学習塾
あるあるをうなずきながら読んでいた。
著者の視点はもっと大きく、公教育との関わりについて描いて
おり、最近の教育格差まで視野に入れている。


なので、わりとポンポンと時間が飛んでいて、その間の物語も
読んでみたかった気がするが、それはないものねだりだろう。
それにエンタメ小説として振り切るなら、中学受験をメインに
書いたほうがいいが、それは本作の主題ではない。



中学受験といえば、先月から始まった「二月の勝者」を録画して
数週間遅れつつ見ている。


大都市圏の富裕層では、中学受験は当たり前のこととして語られて
いる。教育費も馬鹿にならない金額だ。


しかし、中学受験の勉強って意味はないと思う。
特に算数は、小学生の範囲でむりやり難しい問題を作って解かせて
おり、時間の無駄ではなかろうか。


中学受験を経て東大に入った人と、公立中学から公立高校を経て
東大に入った人とでコホート研究的な追跡調査をして、どんな
影響があるのかを調べてほしいものだ。

自民党の大物が落選するも安定多数を確保、維新が伸びるという

最悪の選挙結果になってしまった。

私が投票した選挙区も世襲の弁護士が当選したし、がっかりだ。

 

 

投票率も少しは上向いたものの50%台のようだし、政権交代

あった70%のときは何が有権者を煽ったのだろう? 

おそらくメディアの報道だと思うのだが、もはや自民党がテレビや

ネットを抑えているので「ずっと俺のターン」になりそう。

 

 

メディアの報道と関係なく自分の考えで投票するような人は

3割もいない。あとはテレビによく出ている人になんとなく

投票する大阪の人のようなクルクルパーばかりだ。

 

 

このままだと、日本は中南米の貧困国みたいになるだろう。

あるいはフィリピンのような出稼ぎ国家になるかな。

 

 

まだ、国内に大規模なスラムが発生していないのは、ネカフェ難民

のように実態が覆われているから。

どこかで臨界点を超えると、一気にスラム街が顕在化するのでは

なかろうか。

 

NHKの朝ドラ「おかえりモネ」が終わった。

東日本大震災の被災者とその周りに一石を投じた作品だったと思う。

通常の半年間の話数があったら、さらに奥行きがあるドラマになった

のではなかろうか。

 

 

脚本も俳優も演出も素晴らしかった。

私が一番印象に残ったのは、主人公の父親役の内野聖陽が、西島秀俊

相手に、被災地の子どもたちの未来を語る一人芝居だった。

あの演技は圧巻だった。

 

 

永瀬廉も将来すごくいい役者になりそうな予感がするイケメンだし、

モテない医者を完璧に演じきった坂口健太郎もよかった。

主人公の清原果耶は、ドラマの中ではほとんど感情を爆発させず、

なんというか高倉健のような佇まいだった。あの若さで。

一方、その妹役の蒔田彩珠には荒ぶる芝居を割り振られ、見ていて

辛かったのだがよく乗り切ったと思う。

 

 

主題歌もよかった。

どうでもいいが、BUMP OF CHICKEN藤原基央の結婚相手が、私の

推しだった亀井絵里であることが分かって、幸せになっただな、と

しみじみした。

 

 

ぜひギャラクシー賞を受賞してほしいドラマでした。