*[本]日本の黒い霧

わりと有名なのに読んでいなかったので読んでみた。
下山事件帝銀事件は面白かったのだが、あとはあまり‥‥。
巻末に書いてあったが、なにもかも米国GHQの陰謀だ、
と言っているように読める。松本清張はこれを否定して
いるけれど、普通に読めばそういう印象を受けるのでは
ないだろうか。

「ファスト映画」というのをニュースで知った。

10分ぐらいで映画の内容を紹介するらしい。

世間にはよほど知ったかぶりをする人が多いようだ。

 

なぜそういう需要があるのか。

私にはよく分からないが、たくさん映画を見ていると

思われたいということか。

もし本当にちゃんと映画を見た人と会話したとき、

どうするつもりなのだろう。そういうリスクはほとんど

ないと踏んでいるのか。

 

昔の米国の雑誌に「リーダーズ・ダイジェスト」という

のがあった。

Wikipediaを見るとまだ発行しているようだ。日本版は

もうない。

 

発想としてはこれと一緒なのだろう。

いかにも米国の底の浅い人々が考えそうなことだ。

たしか文学の名作のダイジェスト版もあって、

知ったかぶりできるのでずいぶん売れたそうだ。

 

 

しかし、かつては教養があることが格好いいことだった

けれども、いまはそういうのがオタクっぽくて嫌われる

のではなかったか。

 

いや、むしろ深い知識を語るのが気持ち悪いとされ、

手広く浅いことを語るのがいい、ということか。

2chを作った人が妙にもてはやされているのが

その証拠だ。

 

 

ただそれは手段と目的を取り違えているだけだ。

あることが好きで、のめり込んだ結果いろんなことに

詳しくなった、というのが正しい姿であろう。

詳しくなるふりをするために、ダイジェストをいくつも

見るのは、文化的に貧しいではないか。

*[本]街道をゆく8 熊野・古座街道 種子島みち

この巻だけなかなか見つからなかったのだが、ロープウェー街の
古本屋で発見して小躍りして買った。
そして数ヶ月前に読んでブログに感想を上げた気がしたが、
上げていなかった気もする。


といっても、もう内容をほとんど覚えていない。
熊野の川を船で下っていく話などはうっすら記憶にある。



大分県の日田を訪れているが、この当時はまだ諫山創
生まれていなかっただろう。
のんびりした印象を記していて、今も変わらないのでは
なかろうか。

ここ最近のテレビCMについて。

私は深夜アニメをBS11で見ているので、テレビCMも主に

そこで視聴する。

 

 

自動車保険チューリッヒのCMは相変わらずなのだが、

このところ健康食品や化粧品、健康器具のCMも増えた。

 

 

そのCMの映像も、肌のシミやらイボやら、ぶるぶる揺れる

脂肪やら、目を背けたくなるものばかりである。

ああいう不快なものを大写しにすることで興味を引こうと

しているのだろう。

私には逆効果にしか思えないのだが。

 

 

スポンサーがどんどん下衆いものになっているのは、

大手企業がもうテレビCM(特に衛星放送)に見切りを

つけているからではなかろうか。

 

 

地上波はまだ美男美女が起用されているが、衛星放送は

もうダメだろう。がっかりだ。

 

ローカルな話題だが、こないだクルマで通りかかると、

明屋書店の中央通り店がぶっ壊されていた。

閉店か!? とびっくりしてホームページを見たら

「一時閉店中」とあった。

ということは建て替えるだけなのだろうか‥‥

 

 

ここの書店は、前はよく利用していたのだが、5、6年前

ぐらいだろうか、マンガ売り場の品揃えが急に悪くなって

しまった。担当者が変わったのか、仕入れの方針が変わった

のかは分からないのだが、クルマに乗るようになったので

もうちょっと郊外の充実した店に行くことにした。

 

 

それでもときどきはのぞいてみて、買えるときは買って

いたのだった。

交通量の多い道沿いだし、学生も通学途中で立ち寄る場所

だし、立地は悪くないはずなのだが、売上が減ったのだろうか。

 

 

もしリニューアルして大型化するなら歓迎だが、おそらく

小ぶりな店になってしまう気がする。

リアル書店は先行きが厳しいのですね。

 

*[映画]さよなら私のクラマー ファーストタッチ

昨日、サービスデーで見てきた。映画をハシゴするのは何年ぶりか。
夕方の上映で観客は私以外に高校生らしき若者がひとり。良いオタクに
育ってほしい。


アニメ「さよなら私のクラマー」は高校生になった主人公を描いているが、
この映画は前日譚の中学生のころの話だった。


これはぜひフェミニストの方の感想を聞いてみたい。
女子だからという理由で公式戦に出場できないのはいかがなものか、
という問題提起でもあるが、実際にプレーすると大怪我をする可能性も
あるので、指導者としては悩むところだ。


あるいは女子サッカーチームを整備できない大人たちの問題である
かもしれない。
映画のエンドロールには、実際にサッカーをしている少女たちの
写真がいくつも現れて、楽しそうに見える。
伸び伸びとサッカーを楽しんでほしいと思うが、スポーツの闇も
知っているので、あの笑顔が本当であることを祈りたい。



女子が男子に混じってサッカーをするマンガといえば、たしか
吉田秋生の「海街diary」がそうだった。
高校生からは女子サッカー部がある静岡に行くんだった。


野球だと「メジャーセカンド」がそうだ。
プロ野球だと古いが「野球狂の詩」の水原勇気がいた。
サッカーはさすがにそういうキャラクターはいない気がする。


ジェンダーフリーの考え方が広まっているので、スポーツも
その例外ではないけれど、やはり体格差というのはどうしても
あるので、棲み分けは必要だと思う。
その葛藤を描いているのがいまどきの作品だろう。



ちなみにテレビアニメはものすごくテンポが悪くて、にもかかわらず
キャラクターには魅力があった。
ということは原作のマンガが面白いに違いない。
特典でもらった原作マンガはやはり面白かったので、単行本を読んで
みよう。

*[映画]映画大好きポンポさん

サービスデーなので見に行った。
平日朝8時45分からの回で、観客は一癖も二癖もありそうな
オッサンが5人ぐらい。ふだん何をしている人たちだろう。



内容はハリウッドならぬニャリウッドの映画製作を描いた
物語で、映画を語る映画になっている。
日本の映画界にしなかったのは、夢も希望もないからだろう。


プロデューサーが可愛い女の子なので、ゆるい作品かと
思いきや、なかなかの力作ですごく面白かった。
監督の平尾隆之には今後もっとオファーが来るといいな。


ただ一点だけ文句がある。
ナタリー役の声優だ。
いろんな事情があったのだとは思うが、どうして彼女を
選んだのか。


それ以外は素晴らしかったので、もっと評価されるべき
作品だと思う。