- 作者: 鈴木敏夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2019/05/20
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る
もので、読みやすくて面白かった。
こんなに面倒くさい人たちを相手にアニメ映画を作り続けるのは大変だった
と思うのだが、本書は鈴木敏夫の主観で書いてあるので、第三者が見たら
まったく違う話になっていると思う。
私は鈴木敏夫はペテン師だと思っているので、本書の内容を全面的に信用
することはできないのだが、それを割り引いてもジブリ映画が好きなら
読んでおいて損はないと思う。
↓
それにしても、自分で企画を次々と考えてアニメを作りたがる宮崎駿と、
こちらが企画しても全くやりたがらない高畑勲の違いは何なのだろう。
ハイジとかアンとか、毎週名作アニメを作っていた人とは思えない。
↓
「ホーホケキョ となりの山田くん」に、なぜホーホケキョという
タイトルがついたかというと、日本テレビの奥田誠治という人が
宮崎アニメには「の」が、高畑アニメには「ほ」がタイトルに必ず
入っている、と謎の法則を主張したからだそうだ。
なのでむりやり「ほ」が入る言葉を考えて入れたらしい。
そこまでゲンをかつがないといけないのか、と映画業界の変な
慣習に驚く。
なお、このアニメは徳間康快が配給を松竹にすると決めてしまい、
それが惨敗の原因だと語られている。
松竹にも言いたいことはあるのではなかろうか。
↓
私は、宮崎吾朗や米林宏昌をアニメ監督にしたのは間違っていた
のではないかと考えるので、晩年の鈴木敏夫の目は曇っていたと
思う。
それに、片渕須直や細田守のように、ジブリから出ていった人が
後に名作やヒット作を作っているわけだから、そのあたりの事情も
語っておくべきではなかったのだろうか。