私は「ワイドナショー」をほとんど見たことがない。

というのもその時間は寝ているからだ。録画してまで見たい番組

でもないし。

 

なので、ときどき番組内での暴言や失言が主に左翼側から批判されて

いるのをツイッターで知る。

そもそも古市なんとかとか三浦なんとかが呼ばれる番組というだけで

インチキ臭いではないか。

見なければいいと思うのだが、番組が続いているということは、まだ

視聴率が悪くないのだろう。

 

MCの松本人志にしても、笑いに関しては時代を画する天才だと

思うけれど、政治的なことについては素人である。尼崎の工業高校出の

芸人が喋っていることだと思えば、目くじらを立てるほどでもない。

専門以外のことで頓珍漢なことを言う人は彼だけではないし。

 

 

ではリベラル側はなぜ問題視するかというと、彼の影響力だろう。

ワイドナショーの発言を真に受ける人が増えることを憂慮している

のだ。

 

たしかに松本人志は「ドヤ顔」とか「ヘタレ」といった関西地方の

言葉を標準語に定着させる力を持っている。

最近だと「○○する説」という言い方がそうだろう。

 

しかし、こういう言葉に特別な政治性はない。

多くの人がぼんやりと思っていたことにピッタリ当てはまる言葉を

選ぶセンスが卓越しているだけである。

 

ほとんどの人は、ワイドナショーの発言をアホらしいと思って

聞き流しているだろう。まだそのぐらいのリテラシーは持っている。

今後どうなるかは分からないけれど。

 

 

では、政治的なことは専門家でないとコメントできないのか。

そんなことはないだろう。誰でも思ったことを発言する自由はある。

その言葉に説得力があるかどうかが大事だ。

 

「○○に政治を持ち込むな」という人の本音は「俺の気に入らない

ことを言うな」であって、単に幼稚なだけである。

世の中は自分の思い通りでなければならない、と思っている幼児の

精神のまま大人になった人だ。

 

ネットはそういう人を顕在化させて、大声を出せるようにした。

彼らが好き勝手に暴れないようにするには、誰かが「大人になれよ」

と言うしかない。

でも、その言葉に説得力を持たせる大人はどこにいるのだろう?