Boaz2013-05-28

テレビ番組で、本気で怒る人を見ることはほとんどない。
討論番組で大島渚が「バカヤロー!」と叫ぶのも、一種のパフォーマンス
だったのだろう。


力関係もあって、タレントが明らかに失礼なことを言っても、普通の人は
表に出せない。
本当に怒った場合は、いったん撮影が中断し、それがオンエアされること
はない。


また、テレビでは、マジで怒っているのはダサい、という風潮があるよう
で、「キレ芸」というものが台頭してきたのも、その風潮のせいだと思う。



橋下徹は、テレビ番組でそういう仕組を学習したのだと思う。
テレビに登場する以前から、弁護士として相手を言い負かすことが仕事
だったろうし、テレビ番組上でも強者のスタンスだった。


つまり、相手に失礼なことを言ったとしても、マジで怒ることはない
だろう、と考えていたのではないか、と思われる。


ポピュリストでもある橋下は、勢いがなくなってきた維新の会に大衆の
目を向けさせるために、刺激的なことを言った方がいいと判断した。


誤算だったのは、相手がマジ怒りしたことだろう。
日本のメディアに対してなら、言い負けることはないと確信していた
だろうが、米軍がキレるとは思わなかったはずだ。



そもそも橋下徹には政治的な理念があるのだろうか? 
あるとすれば、どうして最初から政治活動をしていなかったのだろう。


私には、大衆の注目を集めたいだけの人に見える。
テレビ番組に出演して味をしめて、大衆の注目をそれ以上に浴びること
ができる政治家になったのではないかと。


だって、大阪府知事から大阪市長になったのは、大阪都構想のため
だったはずである。
最近、彼の口から大阪都という言葉が出ただろうか? 
具体的に大阪都構想はどのくらい進んでいるのだろう。


いじめ問題 → 憲法改正 → 従軍慰安婦問題と、注目されるような
話題を打ち上げているが、実を結んだものが何かあるのだろうか。



利に聡い橋下徹のことだから、もはや自分が泥船に乗っていると分かれば、
さっさと仲間を見捨てて飛び降りるだろう。
一介の悪い弁護士に戻っていただいた方が、こちらとしてもありがたい。