大評判だった映画をようやく見ることができた。
土曜日の夕方からの回で観客は60人ぐらい。公開から一ヶ月ぐらい
なので、よく入っていると思う。
泣くことはなかったが、良い伝記映画だった。
欧米では出っ歯はそこまで悪い印象なのか、と怖くなった。
(私も出っ歯だから)
私はクイーンの良いリスナーではなかったので、ベスト盤しか
持っていない。が、映画で使われた曲はほとんど知っていた。
しかし、一曲だけフレディ・マーキュリーのソロアルバムから
シングルカットされた「I was born to love you」はかからなかった。
CBSと契約してソロアルバムを作ること自体がバンドに対する
裏切りなので、この曲をかけるわけにはいかなかったのだろう。
しかし、私の印象では、1985年ごろにノエビア化粧品のCMに
使われたこの曲がフレディ・マーキュリーの代表作である。
今でも白い小型ジェット機が飛んでいる映像を覚えている。
フレディ・マーキュリーの死後に、クイーンのアルバムにも
収録されたのだから、せめてエンドクレジットのところで
かけてもよかったのではないか。
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それにしても、この映画のような、差別や偏見を芸の力で
ねじ伏せるようなロックスターは、果たして今後出てくる
のだろうか。
商業音楽の力がだんだん弱まってきており、この分野では
もうそういう人はおらず、だからこそ伝記映画が作られて
ヒットしているのかもしれない。
同じような感動作を作れるとすれば、ジェームズ・ブラウン
だろうか。と思って検索したら2014年にもう作られていた。
あまりヒットしなかったようだ。
ミック・ジャガーはまだ生きているし、プリンスやデヴィッド・
ボウイはまだ生々しすぎる感じがする。
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成功したバンドのボーカルがソロアルバムを出したとき、
ヒットする場合とそうでない場合がある。
ミック・ジャガーやフレディ・マーキュリーはあまりヒット
しなかったが、フィル・コリンズやスティングは売れた。
バンドで楽器もやっていた人は売れて、ボーカルだけだった
人は売れないのだろうか。
しかしマイケル・ジャクソンは売れたがキース・リチャーズは
あまり売れなかった。
日本だと桑田佳祐のソロアルバムはどうなのだろう。
わりと売れたはずだが、やはりサザンオールスターズの
印象が強いのだろうか。
いずれにせよ、バンドから抜けて音楽活動をするのは
かなりリスクがあるということか。
なんだか伝記映画から妙なところに着地してしまった。