マイケル・ジャクソンが急死する前に撮影された、コンサートのリハ
ーサルの模様を中心に編集された映画である。
リハーサルなので、流している部分もあるが、本番さながらに気合を
入れて踊っているところがほとんどで、なんでこれだけダンスできる
人が急に亡くなるかね、と不思議だった。
バックダンサーやバンドのメンバーも一流の人ばかりで、マイケルの
ためなら全力を出すぜ、といわんばかりのパフォーマンスだった。
私は東京ドームでマイケル・ジャクソンのライブを見たことがあるが、
その頃と変わらないキレがあったと思う。とても50歳の人ができるこ
とではない。
予定されていたコンサートの会場で流すための映像も作られていたら
しく、その一部も見ることができた。
あれだけ歌ったり踊ったりできる人が、演技になるとどうして大根に
なってしまうのか。“スムーズ・クリミナル”の映像を見て、そう思う。
ただ、あくまでもリハーサルはリハーサルである。
もし本人が生きていて、無事にコンサートも行われていたら、このビ
デオは表に出ないか、ライブDVDのおまけにしかならなかっただろう。
どうせ英国でコンサートをやるのであれば、ポール・マッカートニー
と一緒に唄ってほしかった。
ポールのアルバム「パイプス・オブ・ピース」には、マイケルとのデュ
エットが2曲収録されており、“Say Say Say”はシングルカットされ
てヒットしたが、私はもうひとつの“This Is The Man”の方が好きで
ある。