おそろし 三島屋変調百物語事始

久しぶりに宮部みゆきの小説を堪能した。
面白かった。


実は、これの続編の「あんじゅう」
あんじゅう―三島屋変調百物語事続
の方を読売新聞に連載していたので先に読んでいた。


が、主人公のおちかちゃんの過去の出来事というのがさっぱり
分からなくて、なんだかもやもやした気分だった。
やはり最初から読むものですね。いまはスッキリです。



川崎宿の宿屋の娘おちかは、17歳のとき、ある不幸な出来事があったので、
叔父のいる江戸で暮らしている。
叔父は自分の代で店を持った袋物屋で、手堅く儲けている。


過去の出来事がトラウマになって気が塞いでいるおちかを、なんとか元気
づけようと、叔父はふしぎな話ををしてくれる人を自宅に招いて、おちか
に聞かせる。いまでいう心療内科の治療である。


タイトルに「変調百物語事始」とあるように、どうやら宮部みゆきは100の
怪談を書くつもりらしい。
この1巻目で5話だから、いつまでかかることやら。



スティーヴン・キング宮部みゆきは、映像化された作品があまり出来が
よくないという共通点があるが、アニメならどうだろうか。


この小説は、深夜アニメに合うと思う。
第5話「家鳴り」は、4話まで読んでいるとグッと盛り上がる構成になって
いるので、腕のある演出家の映像で見てみたいものだ。


西尾維新物語シリーズが売れているなら、宮部みゆきの百物語もアリだと
思うのだが、どうだろうか。