Boaz2012-11-01

前に、少年マンガラノベは世界観の軸が違うのではないか、と
書いたことがあった。


あれからぼんやりと考えていたのだが、それは正義感の有無では
なかろうか、という仮説を立てた。


といっても、私はライトノベルをほとんど読んでおらず、アニメ化
された作品を見ているだけなので、単なる印象でしかない。


おそらくライトノベルにもちゃんと正義感のある主人公が活躍する
物語が多数あると思う。
(「アクセル・ワールド」とかはその一例か)


だが、そういう正義感がある作品は、もともと作者が少年マンガ寄り
の指向性を持っていたからではなかろうか。
歴史的には少年マンガの方が古いわけだから、ほとんどのラノベ作者
のベースに少年マンガがあると思われる。
だから、燃える展開にしようと思えば、普通に少年マンガ的正義感を
軸にして物語を書くような気がする。


また話がややこしくなってきた。
私がイメージしているラノベは、いわゆる「ハーレムもの」である。
ハーレムものになぜ正義感がないかというと、閉じた世界の物語だ
からである。


つまり、男女の恋愛は正義の問題ではなく倫理の問題だ、ということ
だ。
この閉塞感と倫理観を鋭く明らかにしたのが、押井守の「うる星やつら
2 ビューティフル・ドリーマー」だったのではないか。


いやしかし、そもそも「うる星やつら」も少年マンガではないか、と
言われたら何も反論できない。
一言だけ言わせてもらえれば、第一話の諸星あたるは、地球の運命を
背負って闘う少年、という設定だったのだ。最終的には完全にハーレ
ムものになっていたとしても。


結局、私がライトノベルに抱いているモヤモヤした違和感をスッキリ
説明することはできなかった。ヒントはエロゲーにあるのではないか。
また地道に考えてみようと思う。