- 作者: 菅野完
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2016/04/30
- メディア: 新書
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私は日本会議を、首相を操る悪の秘密結社みたいなイメージでとらえていたが、
本書を読むと、地道に地方から攻めていったカルト集団だったのか、という
印象である。
映画「オズの魔法使」で、魔法使いの正体がバレたときのような読後感と
言ったらいいだろうか。
最終的に安東巌という人物を炙りだすまでの筆致はスリリングだった。
だが、国政がそういう胡乱な人々によって動かされているという事実に
ゾッとする。
日本会議は、昭和16年から19年ごろの日本は素晴らしいのでその頃に戻そう、
と言っているインチキ集団である。
戦時中の日本を美化している点で、江戸しぐさと同じだろう。
江戸時代は素晴らしかったという言説を批判するなら、日本会議も同様に
批判すべきだと思う。
↓
ところで、日本会議は経済に関することは何も言っていない。
すると、安倍政権で経済関係を仕切っているのは誰か、という話になる。
ここにも日本会議と同様の、経済分野のカルト集団が存在しているのでは
ないか?
サミットから消費税10%導入延期にかけてのドタバタは、彼らの馬脚を
現していたのではなかったのか、という気がする。
彼らは米国で流行遅れになった手法を日本に持ってきて、うまい汁を
吸ったら別の国に出ていこうとしている。
まるで「うしおととら」の白面の者のようだ。
我々は選挙のときだけ獣の槍を持つことができる。
経済の失政の責任は誰が負うべきなのか、きちんと見極めてから、憎い
白面の者を討つべきだろう。