Boaz2015-08-05

阿川弘之の訃報が入った。
94歳なので、大往生と言っていいだろう。



代表作はやはり海軍提督三部作だろうか。

山本五十六 (上巻) (新潮文庫)

山本五十六 (上巻) (新潮文庫)

米内光政 (新潮文庫)

米内光政 (新潮文庫)

井上成美 (新潮文庫)

井上成美 (新潮文庫)

阿川弘之は保守派であったが、旧日本軍の戦争責任については憤りを感じており、
そのあたりは最近のネトウヨとは違うのである。
ただ、海軍を美化して陸軍を無能の集団として描いているのは、たぶんいろいろと
批判があったのではないか。



乗り物オタクでもあったので、鉄道関係のエッセーも面白かった。

南蛮阿房列車 (光文社文庫)

南蛮阿房列車 (光文社文庫)

また、本人のエッセイよりも、遠藤周作北杜夫が彼の乗り物オタクぶりを描いた
話の方が面白かった部分もある。


さらに、戦時中に中国で諜報機関にいたこともあり、論語に関するエッセーをも
書いていて、これもよかった。



娘の阿川佐和子によると、理不尽に怒られることがあって、家族はビクビクしながら
生活していた、とあるから、家庭人としては良い父親ではなかったのかもしれない。


いまの安倍政権に対して、どんなことを思っていたのか知りたかった。
合掌。