予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える (光文社新書)
- 作者: 岩田健太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: 新書
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ここまでリーダーフレンドリーな予防接種の本はないのではないか。
疫学について漠然とした知識しかない人は、ぜひ読んでみてほしい。
著者は「好き・嫌い」の判断は誰にでもあることなので、それを糾弾
しても仕方がない、という。
問題なのは「好き・嫌い」が「正しい・間違い」にすり替えられるこ
とだ、と指摘している。
子供は「ぼくニンジン嫌い」と言って許されるし、どうして嫌いなの
かも「だって嫌いなんだもん」とシンプルだ。
しかし大人は変に理屈をつけて感情を正当化しようとする。
それが重要な案件であるほど、問題はこじれてしまい、落とし所が分
からなくなる。
いま大変なことになっている原発も、そういう部分が多いのではない
かと思う。
ではどうすればいいかというと、私たちが感情をできるだけコントロ
ールするしかない。オトナになるのである。
もっとも、私なんかはたいていのことを「好き・嫌い」で判断してし
まう。それを自分の中だけにとどめておくぶんには、何の問題もない。
きっと公的なことに携わることが多い人ほど、「好き・嫌い」を抑制
しなければならないのだろう。
これって、教育でどうにかなるものなのだろうか?