
- 作者: 平野芳信
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/02/15
- メディア: 新書
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何が書いてあったのかよく覚えていない。
本書は小説に描かれている料理から、その本質に迫ろうというもの
だが、いまひとつ食い足りなかった。
ただ、これまでの文学は、出された料理についてあれこれ書くもの
であったのに対し、現代では料理をする人が誰かに提供したものに
ついて書くようになったのではないか、という指摘は鋭い。
草食系男子による、新しい料理小説が出現することを楽しみにして
いる。
↓
私は実家ぐらしだが、自分の食べるものは自分で作っている。
理由は簡単。母の料理がまずいからである。
じゃあ、自分の作ったものは旨いのかといえば、まあ普通だろうと
思う。が、確信を持って断言することはできない。
なぜなら、他人に食べてもらっていないからである。
小説やマンガにたとえるなら、自分で書いたものを誰にも見せずに、
自分で読んで、まあ面白いだろう、と言っているようなものだ。
単なる自己満足である。
実際は、晩御飯を食べるごとに感動している人はそういないだろう
から、小説やマンガのようなクリエイティブなものと、日常のご飯
は別のものである。
とはいえ、これまで他人の評価の目に曝されずにいたのは事実で、
それに気がつくと、自分で自分を騙していたような気もする。
↓
主婦は家族に食事を作るとき、どういう心境なのだろうか?
最初に彼氏のために作ったドキドキはすでに失せていると思うが、
夫や子供がどういう反応をするのか、どのくらい気になるのか。
それとも、さっさと食べてくれないかなぁ、ぐらいにしか思って
いないのか、妻がいないだけに気になる。
↓
自分で作ったカレーは、普通に旨いと思うけれども、他人が食べ
たらどうなのか。その人が食べ慣れたカレーとは微妙に違うだろ
うから、まずくはないけどなんか違うな、と思うのではないだろ
うか。
ラーメンの評価は山ほどあるが、カレーがそれほど盛り上がって
いないのは、カレーが普通の晩御飯としてよく作られる家庭の味
だからだと思う。