陰謀の日本中世史

陰謀の日本中世史 (角川新書)

陰謀の日本中世史 (角川新書)

トンデモ説がテレビやネットで流布されるのを座視できなくなったので、
プロの歴史学者がわざわざ研究時間を割いて俗説を論破してくれた貴重な
一冊である。


信頼できる史料を集めて、こういう状況だろうからこういう行動をするのが
合理的であろう、という考え方で話を進めている。


素人ながら疑問に思うのは、中世の人は近代人の我々のような合理性を
どのくらい持っているのか、というところだ。
なにしろ切腹するような人々なので、どのようなメンタルなのかはよく
分からない。


もっとも著者はそういうことも当然考えて論考を進めているはずで、
トンデモ説を唱える人の方が論理に飛躍があるのだろう。



読んでいると、本能寺の変とか関ケ原の戦いのあたりは、武将のキャラが
立っているというか、大河ドラマの役者が頭に浮かぶのですごく理解し
やすい。


一方、応仁の乱とか北条氏のあたりは、しばらく大河ドラマでやってない
せいか、誰が誰だか分からなくなることがある。名前も同じような人が
多いし。


なので、応仁の乱はそろそろまた大河ドラマでやってくれないだろうか。
平清盛みたいに視聴率的にふるわないかもしれないが、一部の人には
大ヒットするはずである。