Boaz2014-03-23

ここ最近のサンライズのロボットアニメを見ていると、冷戦構造の
復活を感じる。


ロボットアニメは、主人公が属する組織と、それに対立するものの
戦いが描かれる。
昔は主人公は正義で、相手は悪というのがはっきりしていたが、
ファーストガンダムあたりから複雑になっていった。


そして現実の世界でソビエト連邦が崩壊してから、冷戦構造は米国の
一極集中に変化し、その影響がロボットアニメにも現れたといって
いいのではないか。


老舗のサンライズが企画した作品一覧を見てみると、90年代以降で
ある国(や勢力圏)とある国が対立している設定がほとんどないようだ。
全部の作品を視聴していないので断言はできないが。


コードギアス 反逆のルルーシュ」(2006年)では、日本とおぼしき国が
新発見の資源を産出することで、欧米の植民地になっている、という
設定が出てくる。
このあたりは、ネットを通じて政治的に保守層が活発化するのと呼応して
いないだろうか。



そして「革命機ヴァルヴレイヴ」(2013年)や「バディ・コンプレックス
(2014年)になると、全体主義的な国家連合と資本主義的な国家連合の
対立、という設定が出てくる。
まるでロシアと米国の対立を予見しているかのようだ。
偶然だろうけど。


旧ソ連と欧米の冷戦の時代に生まれていない若者たちは、「ヴァルヴレイヴ」や
バディ・コンプレックス」のような設定をどう思うのだろうか。


余談だが、Wikipedia の「ロボットアニメ」の項目にリンクされていた
日本大学芸術学部の石渡さくらの論文紀要が面白かった。