Boaz2014-03-03

三重県で18歳の少年が、女子中学生殺害の容疑で逮捕された。
去年の夏に起きた事件で、なぜ少年の高校卒業を待ってから逮捕した
のか謎なのだが、動機も不可解な点が多い。


こういう報道で不思議なのは、少年を知っていた人々のコメント
映像である。たいていは顔を映さないようにして撮影され、ほぼ
「人を殺すようなやつには見えなかった」
と言っている。


もし取材で「あいつは絶対にいつか人を殺すだろうと思ってましたよ」
という人がいても、放送されないのだろう。
裁判に影響するからだろうか? 



だいたい、人を殺しそうに見える人間が日常生活に紛れ込んでいたら
怖いだろう。
ヤクザならともかく、殺人犯はたいてい普通に見えるものだ。


それならテレビは当たり前のコメントをとってきているにすぎない。
そもそも殺人と日常生活がリンクしているのか、という問題がある。


例えば、風俗店で弾けるオッサンだって、普段はただのサラリーマン
だったりするだろう。
彼氏とあんなことやこんなことをしているJKは……普段からエロく
見えるかもしれない。
いや、それは男がそういうふうに見ているだけだな。



メディアが繰り返し、殺人者が普通の人に見えていました、という
コメントを流すのは、人を殺すような人間は異常者であり、我々の
社会から排除しなければならない、ということを刷り込むためだろう。


けれども、それを簡単に見抜けないのが普通の人である。
同語反復だが、他人が何をしたかなんて誰にも分からないということだ。
そのくらいでちょうどいいのだと私は思う。
知りすぎることは、幸せにはつながらないのだ。