私の父は高齢者で、自分の身の回りのことがほとんどできない。
例えば、お腹がすいたとしても、冷蔵庫から何か出して自炊する
能力はない。せいぜいカップ麺を作るぐらいだ。
ましてや、スーパーで買い物をするなど、クルマが運転できた
としても厳しい。
新聞は高齢者が読むもので、その広告にはワンプレートの食事を
宅配するサービスが多い。
一人暮らしでお金のある老人が増えているということだ。
この分野はこれからも成長すると予想されるので、そのうち大手
流通グループも参入するだろう。
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コンビニもネットで注文して宅配するサービスを始めている。
客がパソコンで注文できるのが前提だ。
デジタルデバイドは、50代をグレーゾーンとして、それより上の
世代が使えない人々だと考えていいだろう。
ということは、ネットを使える人は、まだまだ身体が動く年代
だから、宅配をそれほど利用するとは思えない。
それよりも、ネットから隔絶されている老人こそ、大きい市場と
見るべきだろう。
つまり、スーパーやコンビニあるいは惣菜業者は、こちらから
注文を取りに行くことが最も効率のいい営業形態ではなかろうか。
これは昔ながらの「御用聞き」である。
サザエさんのところに訪れる三河屋さんだ。
いまはタブレット端末があるから、それを見せながら注文させて、
効率よく配達することも可能だろう。
デジタル世代が高齢者になるまで、あと15年から20年ある。
それまでは「御用聞き」が活躍できるのではないだろうか。