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うちの親もそうだが、老人はどういうわけか大病院に行きたがる。
そのせいで、ちょっとした病気でも大きな病院で長いこと待って
数分の診療時間で薬をもらって帰っている。

なぜ老人は大病院が好きなのか。
私の想像では、子供の時に近所に適切な医院がなかったからでは
ないだろうか。

医師の数も戦前と今とでは大きく違っていただろうし、大都市で
ないと近所に病院などなかったのかもしれない。
あるいは、あったとしてもやぶ医者が多かったのかもしれない。

開業医の腕を信じず、大きな病院に行きたがるのは、もうひとつ、
どうせ診てもらうなら設備が揃ったところがいい、というケチな
根性もあるだろう。

このような大病院主義は、高齢者に特有なものか、あるいは世代を
超えてあるものなのか、たぶん誰かが調査をしているだろう。
できれば、近所のかかりつけ医を作って、そこで軽い病気を診てもら
うべきだが、そういう意識を啓蒙しているかどうか、怪しい。

開業医が市場原理で淘汰されるべきとは思わないけれど、口コミ
以外の評価があればみんな助かるはずだ。
手間はかかるが、開業医の評価は将来的に医療費を抑えるのに
役立つのではないかと思う。