Boaz2014-05-18

うちの近所のパチンコ屋の前の、もう7、8年ぐらい空き店舗になって
いたところに、中華料理店がオープンした。もう3ヶ月ぐらい前だ。


その店の前も中華料理店だったので、居抜き物件だったのだろう。
食べに行ってみたが、はっきり言って素人が作った味である。
厨房にいる料理人を見ると、パッとしない若者だった。


以前にも、新しくできた店で食べてみると、なんでこのレベルで
店を出した? という料理が出てきたことがあった。
そこは半年ぐらいで潰れた。


居抜き物件とはいえ、新しい店を開くには資金とやる気が必要だろう。
よほど思い切った決断をしないとできないと思うのだが、なぜ料理の
腕をかえりみなかったのか不思議だ。
それとも節税対策で、どこかの金持ちが道楽で開いたのだろうか。



グルメガイドが流行るのは、何の情報もなしに入ったら大怪我する
可能性があるからだろう。
少なくとも、昔の店はそういう水準だったのだ。


それでもまずい店がやっていけたのは、客が要求する水準が低かった
のと、値段が安かったからだろう。
お互いに、まあこんなものか、と納得していたから、客が途切れなかった
のだと思う。


だが、全体に豊かになると、おいしいものを食べたい欲求が強くなる。
飲食店に、飢えや貧困が原因ではない行列ができ始めたのはいつごろ
からだったろうか。



大都市では、おいしくない店はあっという間に淘汰されてしまう印象が
ある。実際はどうなのか分からないが、昭和のような牧歌的な状況では
ないだろう。


だが、あまり味にこだわらず、そこそこのものを普通の値段で出して
くれたらそれでいい、という人もたくさんいるはずで、そういう人が
通っていた店も、巻き添えをくらって閉店しているのではないか。


幸い、松山は田舎なので、昔ながらの店がしぶとく生き残っている。
が、おそらく経営者も高齢化して、世代交代もうまくいかない店も
あるだろう。


そこそこの味の店は、コンビニやファストフードのチェーン店に
取って代わられている。
おそらく全国的にそうなのだろう。


そう考えると、あのまずい中華料理店にもう一度行っておいた方が
いいのかもしれない。潰れてしまう前に。