Boaz2013-09-11

先端企業が新製品や新事業を紹介する場=プレゼンという刷り込みが
私にはある。
スティーブ・ジョブズのあれである。


ちょっとラフな格好をしたスターCEOが演じる独り舞台、というイメージ
だが、あれはいつから定着したのだろう? 
米国では昔からああいうスタイルだったのだろうか。


日本企業でやっているのは、ソニーのしか見たことがないけれど、どう
にも褒めようがないほど浮いていた気がする。
勢いのあるIT企業のプレゼンは、もっと拍手喝采するようなものなの
かもしれないが、私は見たことがない。
日本で成功している例が知りたい。



ああいう場で取って付けたような感じになるのは、基本的に演劇体験が
少ないからだろうと思う。


私の勝手な想像だが、米国は日本の合唱コンクール的な位置づけで
演劇が教育に組み込まれており、そこで人前で喋ることを広く浅く定着
させているのではないか。


米国で流行っているからといって日本にもさっそく取り入れよ、という
つもりはないが、少なくとも小学生から英語を教えるよりは、演劇の
授業をやった方がいいと思う。



もうひとつ思うのは、モノローグよりもダイアローグでプレゼンする方が
日本人には合っているのではないか、ということだ。


米国と日本の芸人の大きな違いのひとつはそれで、米国ではスタンダップ
コメディアンがひとりで喋ることがポピュラーなのに対し、日本は漫才が
主流である。


それは日本語という言語が、一人称と二人称が立場によって千変万化する
構造になっているからで、ひとりで滔々と喋る言葉ではないからだ。


ひとりのCEOが絶対的な権力を持ち責任を負うのに対し、合議制で責任を
分散させる日本、という分析は穿ち過ぎかもしれないが、ボケとツッコミ
に分かれたプレゼンは面白いのではないか。
どこかの企業でやってくれないものか。