Boaz2015-10-05

アニメ「落第騎士の英雄譚」と「学戦都市アスタリスク」の第1話の設定が
あまりにも似ている、というツイートを読んだ。
(pic.twitter.com/4ETMnzFTKq)


最近のアニメ化されたラノベには、こういう話が多い。
ということは、思春期のオタク男子の願望に共通項がある、ということだ。


たいていは
1.隔離された学園都
2.男女比が偏っているか、可愛い女子しか登場しない
3.主人公には秘められた力があって解放すれば最強
である。


で、主人公が戦うのは
a.正体不明の怪物
b.学園内のライバルたち
c.悪の組織とつながっている謎の人
のどれかだろう。


これはもう様式美のようなものだから、人気がある限り同工異曲のものが
ずっと作られていくのだろう。



私が面白いと思ったのは、隔離された学園都市、という設定が多いことである。


これは、親やきょうだいからの干渉がないことを意味している。
思春期の少年の願望のベースなのかもしれない。


この「隔離された学校」という設定は、何が元祖なのか? 


宇宙戦艦ヤマト」ぐらいまで遡ると、宇宙船に主人公たち若者がいるが、
沖田艦長や佐渡酒造のような大人も一緒にいて規律があった。


機動戦士ガンダム」になると、ホワイトベースには10代の若者だけが乗って
いる設定だったが、やはり上下関係はあったし、現実社会を反映した人間関係
だったと思う。



私が気になるのは「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」である。


原作のマンガやテレビアニメ版では、友引高校は隔離された学校ではなく、
主人公の両親も普通に登場していた。


ところが押井守は、君たちの理想とする世界はこういうものだろう? と
半ば悪意を込めて、宇宙空間にいる亀の背中に乗っている友引町を描いた。


この、オタクに冷水を浴びせるような行為が、別のインパクトを与えたのでは
ないか、というのが私の説である。



しかし、今のラノベ作家たちは「うる星やつら2」に直接影響を与えられた世代
ではないので、彼らと「うる星やつら2」をつなぐミッシングリンクがあるのでは
ないか。


エヴァンゲリオン」かとも考えたが、あれはむしろ父親のプレッシャーと戦う
話なので、思春期の少年のトラウマになりそうなアニメである。


ああいう話に懲りて、父性的なものが登場しない楽園を描こうとしたのが、今の
ラノベなのかもしれない。