
- 作者: 小谷野敦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/05/30
- メディア: 新書
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iPod に入れており、その中ではやはり古今亭志ん朝が最も好き
だった。
猫々先生は、志ん朝は合理的すぎるところがある、と評している
が、私はビギナーなのでその瑕疵にはまったく気がつかなかった。
そして、古今亭志ん生は実はよくわからない、というのもうなず
ける。特に晩年の録音は、ふがふがしていて凄さが伝わらない。
個人的には柳家小さんが人間国宝だったのも腑に落ちない。
田舎に住んでいると、寄席などには滅多に行けない。
なので、昔の名人の録音を聴いて落語を楽しむのは正しいのだ、
と言ってもらえて安心できる。
惜しくも終了してしまったが「今どき落語」というテレビ番組
では、最近の落語家の噺を聴けてよかった。
私がうなったのは柳家喬太郎の「竹の水仙」と「紙入れ」だった。
たぶん、落語好きには既に評価は高いと思うのだが、もっと人気
が出たらいいな、と思う。
最後に、猫々先生は「終生ジャズはだめだろう」と書いている。
私もジャズに詳しいわけではないが、中山康樹の「マイルスを
聴け!」は入門書として良いのではないかと思う。

新マイルスを聴け!アコースティック1945-1967 (双葉文庫)
- 作者: 中山康樹
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2011/06/29
- メディア: 文庫
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というのも、中山が発明した方法が優れていると思うからである。
それは、オフィシャルに発売されたマイルス・デイビスのCDを
年代順に掲載し、一作品につき見開き2ページであれはいいこれは
ダメと、全作品を解説しているからである。
必聴盤は4ページになっていたりして、かなり分かりやすい。
なお、なぜマイルス・デイビスに焦点を当てているかというと、
彼の組んだコンボからジョン・コルトレーンやハービー・ハンコック
などの大成したプレイヤーが多数出ているので、派生的に好きな
人を広げることができるからである。
中山は、ジャズは初めて聴いた曲と、初めて感動した曲が一致しない、
と言っている。
落語もそうかもしれない。
できれば猫々先生には、「圓生百席」のような落語全集を片っ端
から解説してほしい。そんな暇はないと思うけど。