世界の陰謀論を読み解く――ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ (講談社現代新書)
- 作者: 辻隆太朗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 新書
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いまの子はネットで知るのだと思うが、ムーが休刊になっていないという
ことは、底堅い需要がまだあるからだろう。
陰謀論は、私だけが裏に隠された秘密を知っていて、世界を救うために
戦っているという高揚感をもたらすが、無論それは中二病である。
中二病をこじらせた大人がわりと多いことを、この本を読んで知った。
イルミナティという言葉も初めて見た。
著者は宗教学が専門だそうだが、陰謀論を論破するためにたくさんの
トンデモ本を読んでいる。さぞ辛い作業だったと想像するが、もしか
したら楽しかったのかもしれない。
私が不思議だったのは、米国で出版された陰謀論の本が、かなり邦訳
されているということだ。
出せば一定の部数が必ず売れるからだろうけど、陰謀論を本気で信じ
ている人が日本にも多いと思うと、うんざりする。
そういえば、塾の生徒で「アポロは月に行かなかった説」をどこかで
見聞きして、得意げに話している子がいた。
いまごろ何をしているだろうか。
陰謀論が危険なのは、権力を持った人間が信じてしまい、実社会に
影響を与えることだろう。
本書でも日本のオウム真理教や、米国のパット・ロバートソンの例
が挙げられている。
陰謀論を笑える知性を身につけなければならん、ということか。
私の印象では、陰謀論は一神教の社会で広がるようだ。日本はそれを
輸入しているという感じがする。
中国やインドでも、有名な陰謀論があるのだろうか。あまり聞いた
ことがないような気がするのだが。