JIN 仁

ドラマ「JIN」が終わった。
面白かったのだけれど、いくつか気になったところもあった。


まず、良かったところは、坂本龍馬を演じた内野聖陽だろう。
大河ドラマ福山雅治に対する批判を見事に表現していたと思う。


もうひとつは、綾瀬はるかが演じた橘咲というキャラクターの清純さだ。
聡明で芯が強く控えめな武家の娘で、オッサンの心を鷲づかみにした。
いわばビッチの対極にある役で、最終回でも生涯独身を通した設定にな
っている。
二次元しか愛せない人も、橘咲ならいけるのではないか。


タイムパラドックスのまとめ方も、並行世界という概念を分かりやすく
説明できていたし、まあ及第点といえよう。
原作を読んでいないので、マンガではどうなったか気になるところだ。


さて、悪かったところはスポンサーに阿(おもね)っている部分だ。
このドラマでは東芝日本生命がスポンサーになっており、東芝の創業
者の一人「からくり儀右衛門」こと田中久重がドラマの中に登場したり、
龍馬がまとめた船中八策に保険をつくることを追加して九策にしたりと、
ちょっとどうかな、と思える改変がある。


前シーズンにも、ヤマサ醤油ペニシリンの製造を請け負ったという
描写があって、おや? と思ったのだが、今シーズンはかなり露骨だ
ったような気がする。


それから、これは個人的な好みになってしまうが、テーマ曲が鬱陶しかっ
た。幕末をイメージさせるような曲想だと思うけれど、なんか耳ざわりだ
った。作曲した人には申し訳ないが。


根本的なことだが、医学部に合格できる人が、あそこまで歴史に無知な
ものだろうか。受験は地理だった、と語っていたけれど、それにしても。
まあ、これはイチャモンに近いな。


「JIN」のヒットによって、面白いドラマを作ったら人は見てくれる、
という証明ができたのではなかろうか。
震災後、各テレビ局がどんなドラマを制作するのか楽しみだ。