親が倒れてから、今までやろうと思わなかったクルマの運転を
することにした。
といっても、喫緊の用があるわけではなく、ちょっとやってみ
ようかな、という漠然とした動機である。
私は1993年にクルマの運転免許をとったが、ずっとペーパード
ライバーであった。
95年に英国でレンタカーを運転して、接触事故を起こしてから、
ちゃんと運転したことはない。
とあるスレッドに「15年ぶりにクルマを運転しなければならな
くなった、どうしよう」というものがあり、世の中には似たよ
うな境遇の人もいるものだと思った。
そのスレッドに寄せられたアドバイスによると、田舎だったら
誰も走ってない道があるから、そこで練習すればいい、とあっ
た。なるほど。
いきなり交通量の多い道路に出るのは怖いので、深夜に練習す
ることにした。
田舎なので真夜中は本当に誰も走っていない。
うちから近所の港までを往復してみたが、特に問題はなかった。
後ろからあおられたりしなければ、まあ大丈夫な気がした。
少なくとも車両感覚はあったようだ。
問題は車庫入れで、これが往生した。
狭いところにねじ込むように駐車しなければならないので、何
度もクルマを前後させてようやく入った。
いまのところ、クルマを運転する必要は全くないのだけれど、
練習しておくにこしたことはあるまい。
オッサンが夜中に何をやっておるのか、と自分を嗤ってしまう
が、世の中の人はよく平気でクルマを運転できるなぁ、と感心
する。よほど人やモノにぶつけない自信があるのだろう。