おっぱいバレー

おっぱいバレー [DVD]

おっぱいバレー [DVD]

まっとうな青春映画であった。見るべし。


映画版では、舞台は1979年の福岡県の戸畑になっており、劇中の音楽も
70年代の懐かしいナンバーで彩られている。
おっさんにとっては懐かしいけれど、いまの子たちにはどうなのだろう
か? 


私は仕事で毎日中学生と接しているが、世代は違っても男子中学生のバ
カさ加減は同じである。
もっとも、いまどきの子は情報量が違うから、露骨におっぱいを見たい
などと言わないけれど。


性欲を起爆剤にして頑張る、という設定は割とありふれている。
私なら、初期の弓月光のマンガを思い出すが、他にも少年マンガでもた
くさんあったはずだ。


けれども、その雰囲気をきちんと出して、なおかつさわやかな映像作品
に仕上げられたものは、あまりないような気がする。
80年代の映画「パンツの穴」とか、ドラマ「毎度お騒がせします」のよう
なものは、どこかしらじめっとした湿度があった。


私が少年マンガっぽいなぁ、と思ったのは、綾瀬はるかがバレーの雑誌
を買って本格的にトレーニングをする決意をして部室の入り口を開けた
シーンだ。
後ろから風と光が入ってきて、少年たちがまぶしげに見るところがいい。


不必要かと思うのは、綾瀬はるかが元カレとホテルの部屋でいちゃつく
ところだが、そういうシーンを入れないと、逆に白々しいのかもしれな
い。あれで、おっぱいにリアリティが出てくるのだろう。


服や自転車やクルマも、よくぞ1979年のものを集めたなぁ、と感心する。
冒頭の自転車で坂道を下る場面で、中学生のひとりが来ていたペラッペラ
の黄色いパーカは、私も持っていた。超なつかしい。


一点だけ引っかかった部分がある。
部室のラクガキに、ラムちゃんが描かれていたところだ。
確かに「うる星やつら」は1978年から始まっているが、本格的に連載され
るようになったのは1980年からである。


大ブレイクするのは、さらに数年後なので、あそこのラクガキはちょっと
早すぎたのではないか、と思う。どうでもいいことだが。