愛媛県美術館で11月22日から開催されている「男鹿和雄展」を見に行った。
行こう行こうと思っていたのだが、なかなか暇がなくて、年を越してしま
ったのだ。
ジブリ映画の背景を描いた人として扱われているが、略歴をみてみると、
この人はあまりアニメ製作が好きではないような気がする。
というのも、組織に属するのを嫌い、ときどき放浪する癖があるからだ。
本人としては、たまたま自分の技術とアニメの背景という仕事が合致し
ただけで、ジブリ映画とかはどうでもいいのかもしれない。
ただ、絵を描くことは本当に好きなのだろう。
背景画を見るとそれが伝わってくる。
まさに職人芸の世界だ。
緑色の種類にもいろいろあって、トトロで使われている緑色と、もののけ
姫で使われている緑色は、まったく違う色使いだし、ハウルのようなヨー
ロッパ系の背景で使われている色も、日本のものとは違う。
このような緻密な絵を間近で見られるのは幸せなことだ。
ひと昔前なら、単なるまんが映画の背景とされていたものが、いまは美術
館で展示されているのだから、時代は変わったものである。
私は音声ガイド(500円)を借りて、日高のり子の声に案内されて見た。
かなり充実しているので、もしお金に余裕のある人は、是非借りてみてほ
しい。
売店にはジブリグッズが山ほどあったが、なぜか日本酒やビールも売って
おり、この展示を企画した人は商売が上手なようだ。
このような職人芸を持つ人の後継者はちゃんと育っているのだろうか?
それだけが心配になって美術館を後にしたのだった。