カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか (角川SSC新書)
- 作者: 水野仁輔
- 出版社/メーカー: 角川SSコミュニケーションズ
- 発売日: 2008/05
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これまでに400回ぐらいは調理しただろうか。
しかし、いまだに会心の出来にはならない。
市販のカレールーを使っているからなのか、とも思ったが、外で本格的な
カレーを食べてみても、どうもピンとこないのだ。
かといって、いちからスパイスを調合したり、高級な食材を使ったりする
のも面倒だし、そういうのは「家カレー」の本質からは外れているような
気がする。
この本では、日本のカレーライスがどのように普及したのか、よく調べて
書いてあり面白かった。
ただしメーカーにヨイショしているように見える部分もあり、書き手の若
さを感じずにはいられない。
できれば最後に、おいしい家カレーのレシピを載せてほしかった。
著者もあとがきで書いているように、もっと商品開発の技術的なところや、
広告宣伝についても詳しく記述していれば、評価は上がったと思う。
それに、中国や本場のインドでも、日本式のカレーは人気が出始めている
はずなので、海外での普及度合いにも一章割いてほしかった。
英国では植民地の影響からか、インド料理店がたくさんあるそうだが、日
本のカレーは人気があるのだろうか。
もしかすると、欧米人はふだん米の飯を食べないから、日本式のカレーは
あまり好みではないのかもしれない。
しかし、日本に長期滞在している外国人で、日本式のカレーを食べたこと
がない人は少ないはずだから、どのくらい人気があるのかを調査してもよ
かったのではないか。
寿司の次はカレーだ、という意気込みで調べてみてほしかった。
もうひとつ気になったのは、講談社現代新書の「カレーライスと日本人」に
ついて一行も記述がなかったことだ。
- 作者: 森枝卓士
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1989/02
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が、無視するのはいかがなものかと思う。
私が担当編集者なら、真っ先に指摘するのだが‥‥