漢字雑談

漢字雑談 (講談社現代新書)

漢字雑談 (講談社現代新書)

文字通り、漢字についての雑談である。
ただ、誰が読んでも面白く、読後感が爽やかというわけではない。
非常に癖のあるチーズのような文章だった。


それは著者の底意地の悪さが出ているからであり、インテリという
のはこういう性格でないとなれないものか、と思った。


本書の3分の1ぐらいは、辞書や誰かの文章の間違いについて書いて
あり、嬉々としてなぜ間違いかを論証している。
そこが、好きな人にとってはたまらないのだろう。


この高島俊男という人は、人望があるのだろうか、と思った。
もう喜寿に近い年齢のはずだが、人生の晩年をどんなふうに過ごして
いるのだろう、と余計なことを考えてしまった。


漢字のウンチクそのものは非常に面白かったのですけどね。