山下達郎アコースティックミニライブ

5月5日の午後7時半からの山下達郎アコースティックミニライブに行ってきました。
浜離宮朝日ホールは定員500人にも満たない室内楽向けの小さいホールで、私が入った
ときにはすでに満席でした。


入場整理券と引き替えにもらったチケットは14列で、ほぼ中間ぐらいの位置です。
客層は30代から50代ぐらいの男女が中心でしょうか、ちらほらと若い人もいました。


客電が落ちると、前方のスクリーンにジャックスカードのCMと、ワーナーの山下達郎
シングルのCMが流れました。
暗転して「アトムの子」のイントロが響いてくると、スクリーンには92年(?)のツアー
の映像が映し出されます。これ、DVDで出てくれないかなぁ、と思いながら見ている
と、次は「ゲット・バック・イン・ラブ」のライブ映像が出ました。


そして「ずっと一緒さ」のPVが終わった後、ついに山下達郎本人が登場です。
ピアノの難波弘之、ベースの伊藤広規もスタンバイオッケー、達郎はギターを激しく
カッティングし始めました。
1曲目は「BOMBER」。
続いて2曲目は「ドーナツソング」です。
アコースティックといいつつ、ベースはエレキベースなので、どちらの曲もベースラ
インがビンビン響いていい感じでした。


ここでMCが入ります。
今日・明日の二日間で4回まわしという、俺は氷川きよしか、と言って笑わせており
ました。
こんなのはデビュー当時以来で、むかし大瀧詠一さんとツアーをしたとき、やはり
二日間で4回まわしということがあり、大滝さんはふてくされて観客にお尻を向けて
唄っていたとか。
あと、午後のお客さんは濃い人が多い。午前中はシンポジウムのようだった、と言っ
ていました。


山下達郎のライブに初めて来た人、と手をあげてもらうと、会場の半分ぐらいの人が
あげていましたっけ。ちょっと意外でした。
抽選は情実の入る余地のないもので、この回は30人に一人の倍率だったそうです。
私はCDを一枚買っただけで当たったので、大変ラッキーでした。


3曲目「PAPER DOLL」。カッティングが素晴らしい。
再びMCになって、達郎もようやくリラックスした感じです。
「BOMBER」「PAPER DOLL」と、アルバム『GO AHEAD!』から2曲やりましたが、この
ジャケット写真を“元祖貞子”と自虐ネタで笑いをとっていました。


最近の曲を一曲、ということで4曲目は「FOREVER MINE」。しっとりと聴き惚れます。
ここでバックの二人は退場。アカペラコーナーになります。


5曲目は「ラヴィアンローズ」。
舞台の中央より、やや左側で唄っていました。
これは、このホールが室内楽向けに作っており、中央に置いてあるスピーカーの前に
立って唄うとうまく響かないからだそうです。


6曲目は一番好きなアカペラナンバーという「チャペル・オブ・ドリームズ」。
この曲か次の曲で、今度は中央より右側に移動して唄いました。
7曲目は服部先生にアレンジしていただいたという「煙が目にしみる」です。
この歌の最後の高音の伸びは圧倒的でした。


どの部分のMCだったか忘れましたが、55歳になってまだ唄っているなんて若いときは
想像もしなかった。歌手はいつ自分が唄えなくなるか、という恐怖が常にある、とい
うような話をしていました。
高音はまだ出るけれど、長く伸ばすことが少しできなくなった、とも。


アカペラコーナーが終わり、再びバックの二人が戻ってきます。
ここでMCが入り、自分は政治的なものからできるだけ距離をとってやってきて、歌で
世の中を変えることなんてできないと思っているが、それでも表現せざるを得ないこ
ともある、という話をしました。
8曲目はマーヴィン・ゲイの名曲「What's Going On」、9曲目は「蒼茫」。


10曲目の「さよなら夏の日」の前に、この曲のモチーフになった思い出を語り、鉄琴
とパーカッションを駆使しながら唄い上げてくれました。


年末からライブツアーをやる、という話はここでしたのかな? バンドの編成も多少
変えるのだそうです。


ラストナンバーは「RIDE ON TIME」でした。ロケンロールな演奏で会場も大いに盛り
上がりました。
花束やプレゼントを渡す人が何人もいましたっけ。
年配の女性が多かったような気がします。


アンコール1曲目は「ずっと一緒さ」をカラオケで。
たしかここで、昔カラオケを無理やり唄わされて18点だった、という話をしていたと
思います。もっと作者の気持ちを考えましょう、と表示されたとか。


最後は「クリスマスイヴ」でおしまいです。お客さんはスタンディングオベーション
で達郎を見送りました。
ミニライブといいつつ、終わったのが午後9時半。充実した内容でした。
まあ、本当のライブならたっぷり3時間は演奏してくれるので、ミニライブという名称
なんでしょうね。


とにかく、あと5年で還暦とは思えぬ声量で安心しました。
年末から始まるツアーが楽しみです。塾を休めるかどうかは分かりませんが‥‥