無性にサウナに入りたくなったので、近所の銭湯に行った。
銭湯といっても天然温泉が引いてある、ちょっとした施設だ。
広い風呂に入るのは、一年ぶりぐらいだろうか。実に気分がいい。
サウナもやはり一年ぶりぐらいで、ダクダク汗をかいた。
ふらふらになるほど頑張って粘り、水風呂に入るときの気分は最高だ。
もう、辺りをはばかることなく「あー」とか「うー」とかいう声が漏れてしまう。
オッサンになってよかった、と思うひとときだ。
以前、松山市内の銭湯めぐりをしていたとき、三島湯という銭湯だったか、明らかに
後から作りましたといわんばかりの、小さなサウナがついている風呂屋があった。
脱衣所の隅っこにあって、人が三人も入ればいっぱいになるような大きさだ。
試しに入ってみると、何分経っても汗ひとつかかない。
汗をかくというより、隙間風が入って寒いくらいだ。
サウナで鳥肌が立ったのは、このときと仙台のサウナに入ったときだけだ。
あれは友だちと無謀にも東京から仙台までドライブに行ったときだった。
疲れていたのでリフレッシュしようと、駅前のありふれたサウナに入った。
早速サウナ室に行ってみると、中には身体全体に綺麗な絵を掘り込んだお兄さんがいた。
私は冷や汗を流してそそくさとサウナ室を飛び出した。
どうりで他の人は誰も行こうとしなかったはずだ。
松山の平和通りにある、平和温泉という銭湯のサウナは立派なものだった。
一階に普通のサウナがあり、二階にはミストサウナがあった。
霧がもうもうと立っているので、サウナ特有の息苦しさがない。
身体にやさしいサウナだった。
西荻に住んでいたとき、駅前のサウナをよく利用していたことは以前に書いた。
サウナ上がりのビールは格別の味がする。
あまりにノドが渇きすぎると、勢いよく飲み干せなくなるのだが、五臓六腑に染み渡る
あの感覚は、サウナに入らないと体験できないのかもしれない。
ただ、歳をとるとサウナ疲れというのか、何ラウンドも入ったり出たりした後で、ぐっ
たりするようになった。
やりすぎは健康に悪いのだが、ついもったいないので入ってしまう。
ま、次にサウナに入るのはずっと先なのでいいんだけど。