- 作者: 石ノ森章太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11
- メディア: コミック
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セクシーな内容になっているスパイアクション作品である。
しかし、作者もあとがきで語っているが、描きたいことがうまくこなれておらず、読後の
満足感はあまりない。
それでも、おっぱいから弾丸が出るという設定は画期的だと思う。
上の絵でも分かるとおり、乳首が照準を合わせるために自在に動くようになっている。
いったいどんな仕組みになっているのか、触って確かめてみたいものだ。
06年にはアニメになって009-1の声を釈由美子があてていたそうだが、いま実写でやるとしたら
リア・ディゾンかなぁ。
彼女のおっぱいから銃弾が発射されると思うだけで、胸躍りますなぁ。
ところで、私はこのマンガの変なところに注目してみた。
それは近未来風の建物である。
石森章太郎本人がデザインしたかどうかは分からないが、なかなか面白いので見てみよう。
まず、キノコ型建築である。
これは、よくあるタイプのもので、たぶん手塚治虫もこんなデザインのビルを「火の鳥」あたり
で描いていたと思う。
次のものは、そのキノコ型を発展させたもので、シドニーのオペラハウスのようなフォルムを
持った建物だ。
なんでこんな形をしているのかが分からない。
これは巨大な円い天板が乗った建物で、マンガではイルカの研究施設になっている。
何のためについているのか分からない。
TBSの本社にも、こんな天板があったけど、あれはヘリポートになるんだっけ?
これは二枚貝が口を開けたような建物で、なんか1970年の大阪万博のパビリオンを思わせる。
たぶん、そこからイメージしたんだろう。
この建物は、地震がきたらどうなるんだろう?
一番好きなデザインの建物だ。丹下健三風?
作者も自信があるのか、かなり大きく描いている。
しかし、崖の上にこんなバランスの悪そうなものを建てて大丈夫なのか、という疑問もある。
最後はル・コルビュジエっぽい建物。
モダニズム建築っていうんですかね。
いまのマンガでは、こうした“70年代に21世紀を想像したような未来のビル”が描かれること
はない。それは、もはやマンガにおいても科学が発展したバラ色の未来が信じられなくなった
ことを意味している。
その一方で、大金持ちの豪邸はよく描かれるようになった。
たぶん、子供たちは未来志向ではなく、リッチ志向になったからだろう。
ちょっと寂しいことだな。
マンガに描かれた建築を年代順にまとめれば、ちょっと面白い本ができると思うけど、誰か
やってくれないだろうか?
現実篇と空想篇に分けると、なお良し。