マチュピチュの呪い

まずはこの写真を見てほしい。

高さが5cmぐらいの小さな瓶で、中にはよく分からないものがたくさん入っている。
これは吉祥寺の中南米グッズを売っている店で買ったもので、インディオのお守りらしい。


なぜ私がわざわざこれを買ったかというと、以前に同じようなものを買って割ったからだ。
あれは今から17年ぐらい前だろうか、私の友だちが大学の卒業旅行で南米を1ヵ月ぐらい旅行
して戻ってきたとき、うちに来てお土産をくれたのだ。
そのときもらったのが、ペルーのマチュピチュで買ったというお守りだった。


いま私が持っているのより一回り大きい瓶に入っており、特に願い事もなかったのだが、面白
そうなので飾っておいた。
ただ、振り返って考えてみると、私も就職が決まり、女の子と遊びに行ったりして、人生で最
もよかった時期だったのかもしれない。


それから数年後のこと。
最初の会社を辞めた年のある日、私は部屋のコタツを片付けようとして天板を動かした。
そのとき、不注意で天板が瓶に当たり、ころころと転がったかと思うとあっけなく割れてしま
った。
中にはミシン油のような液体が入っており、アブラ臭いニオイが広がった。


慌ててこぼれた中味を拾い、アブラをふき取ったのだが、もう瓶は元にもどらない。
臭いので中味をビニール袋に入れて、瓶は捨ててしまった。


それからというもの、どういうわけか、あまりいいことはなく、ひょっとして瓶を壊したせいで
はなかろうか、と代わりの瓶を買ってきて中味をつめて、サラダ油を入れてみた。
当たり前だが、別にこれといって変化はない。
そうこうするうちに、引越しのときに中味も代わりの瓶も捨ててしまった。


数年後、吉祥寺のハモニカ横丁あたりをぶらついていると、中南米グッズの店を見つけた。
何回か前を通ってみたが、勇気をふるって入ってみた。
そこで冒頭の写真の瓶を発見し、確か600円ぐらいで買ったのである。


で、買ったからといって何か運がよくなったというわけでもないし、悪くなったというわけでも
ない。
ていうか、そもそもこのペルーの瓶には何の意味があるのかすら分からない。
もし健康のお守りならば、確かに入院するような病気はまったくしておらず、ご利益があるのだ
が‥‥


田舎に戻ってきた今も、なんとなく持っているが、放っておいたのでホコリまみれになっていた。
先日、あんまりなのでティッシュでふいて、また机の上に置いているのである。
こんどは割らないようにしなければ。


本文と写真はまったく関係ありません

从;^ー^)<マチュピチュの‥‥呪い?