エラいところに嫁いでしまった! 

ほとんど期待せずに見たが、割と面白かった。
これまでのコメディエンヌとしての仲間由紀恵の演技には、ちょいと疑問もあるが、このドラマは
うまいことハマッたんじゃないかと思う。


それよりも、谷原章介が抜群にうまい。
何も考えないボンボンの夫を見事に演じていて、彼なしではこのドラマはうまくいかなかっただろう。
特に、駅で仲間由紀恵に別れを告げられたときの、鼻水を垂らしながら泣くシーンは素晴らしかった。
普通の二枚目はやんないよ、ああいう演技。


このドラマは、現代っ子の嫁が、田舎の旧家にまつわる因習と悪戦苦闘する話である。
結婚するまで、夫の実家がどういうところか全く知らなかった、というのはウソみたいな設定だが、
様々なしきたりを守っている旧家というのは、日本の中の外国みたいなものだ。
都会の視聴者は、よその国の風習でも見るかのように楽しむだろう。


姑役に松坂慶子をもってきたのもうまいと思う。
ゲスト出演していた野際陽子が姑役だったら、「トリック」みたいで新味もないし、嫁いびりをしている
ようにも見えるが、あくまで善意で嫁に接する松坂慶子だから面白くなっている。


しかし、普段はお台場のマンションに住んでいるという設定だが、田舎との行き来がそんなに頻繁にある
とも思えず、どうやって嫁姑がからむのか、これからお手並み拝見というところか。
基本的に嫁視点のドラマなので、夫が夫の家族とのパイプ役に全くならないイラ立ちをこれでもかと描いて
おり、多くの女性がニヤリとしたのではないだろうか。


細かいことだが、仲間由紀恵が夫のことを「おい、磯次郎」と呼ぶのが面白かった。
お互い、一緒にいて楽な人と結婚するのは、正しいですね。