卒業後

モーニング娘。を卒業して、引き続き芸能活動を続けている人に、これはというような
ヒット曲がないのはどうしてか? 
あるいは、松浦亜弥が18歳以降、弾けてないのはなぜなのか? 


私が、いまの20代前半の女性の心中を察するに「すでに終わってしまった感」があるの
ではないかと思う。
女子高生というブランドがなくなり、大学に進学するも、社会で働くも、もうあの頃には
戻れないという喪失感がじわりと日常から侵食し始めている。


そうすると、恋愛やモテ系ファッションの方向へ押し流されてしまうか、キャリアを
積んで働くマシーンになるか、どうでもよくなってニートになるか、選択肢があまり
ない(まあ、これは男子も同じだけど)。
つまり、あんまり元気がないお年頃なのではないかということ。


そんなオンナゴコロに、流行歌はどうやって忍び込んでいるのか。
(女性アイドルだって、同性に支持されなければ大ヒットは望めまい)
ひとつは、自分と等身大の恋愛を唄ったときだろう。あ、これアタシ、というフックが
あれば、ちゃんと聴いてくれるはずだ。


だが、ハロプロ系はアイドルという縛りがあるので、自分の恋愛体験を赤裸々に告白する
ということはタブーである。
いちど、つんく♂というオッサンのフィルターを通してから歌詞を表現しなければなら
ないので、あんまりリアルに思われないのではなかろうか。


ただ、市井紗耶香という失敗例があるので、事務所としては作詞なんかさせたくはない
だろう。彼女の場合は、売り方に間違いがあったという説も根強いけど。


これが20代後半になって、30を目前にすると、焦りや開き直りからジタバタし始めるの
だが、どうも20歳から25歳ぐらいまでは、まだ余裕があるエアポケット状態なんじゃ
ないかなーと思う。


そういう、ふわーっとした時期は、あんまり歌を求めないのかもしれない。
漠然とした不安はあるだろうから、それを突いてあげるような歌詞だったら説得力がある
のかもね。