*[映画]ロング・ウェイ・ノース

ずっと見たかった作品だったので、Eテレで放送されてようやく
鑑賞できた。
「よりもい」好きの人なら是非、と言われていたので期待して
いたが、軽々と超える素晴らしい出来だった。


貴族の娘が船に乗り込むまでに、きちんと修行的なことをする
のが、ちゃんとジュブナイルしていると感心した。
酒場を切り盛りするおばさんがいい人でよかった。


あと、乗組員たちが極限状態になるとギスギスするあたりも
リアルだったし、猛吹雪の描写も優れていた。
犬も可愛かったし。


難癖をつけるならば、終わり方にもう少し余韻があっても
よかったのかな、と。
無事に帰宅してダヴァイ号を発見した懸賞金を山分けする
ところを静止画で見せてくれたら、しみじみ満足したのだが。


さらに言えば、あのクソ皇子にざまあみろぐらい言って
ほしかったな。
サーシャの幸せな未来を祈りたい。

*[映画]劇場版 呪術廻戦0

ようやく見てきました。
水曜日のサービスデーのレイトショーで、観客は40人ぐらい。
まだまだ興収は伸びそう。


完全エンタメ作品なので、面白かったという感想しかない。
後半は尿意に耐えながら見ていたけど、クライマックスの戦いでは
それを忘れるほどだった。


テレビ放送のアニメの続きも楽しみだが、なんだか話がややこしく
なっているみたいなので、分かりやすくなっているといいな。

先月、アニメ「無職転生」の2期が終わって、すごく緻密な設定だし

伏線も張り巡らされているのに、下ネタが邪魔をしているなぁ、と

いう感想を持った。

とはいえ、下ネタ抜きの「無職転生」も物足りない感じがする。

 

 

なんだかモヤモヤしているとき、これは美術でいうところのアウト

サイダー・アートではないか、とひらめいた。

理不尽な孫の手ヘンリー・ダーガーではなかろうか。

 

 

 

 

幸い、現在の日本ではネットに小説をアップロードする仕組みが

整っている。美術と違ってアカデミックな教育が必ずしも必要な

わけではないし、編集者にあれこれ言われることもなく作品を

世の中に出すことができる。

 

 

それが読者を獲得して人気が出れば、書籍化・アニメ化もされる。

考えてみればすごいサイクルができていて、ビジネスになっている。

私は日本のことしか知らないのだが、外国ではどうなのだろう? 

 

 

 

 

このシステムを支えるのは、作品を評価する読者や視聴者だろう。

レベルはピンきりだが、裾野は広い。

おそらくキリスト教圏やイスラム教圏では、なかなか育たない

のではないだろうか。

 

 

もちろん、アウトサイダーではなく、きちんと編集者が介入する

小説・マンガが存在してこその話だとは思うけれど。

 

*[映画]フラ・フラダンス

平日のサービスデーのレイトショーで観客は私ひとり。
なんと贅沢な。


福島のハワイアンリゾートを舞台にした正統派の青春もので
面白かったのだが、大ヒットには至らなかったようだ。



ぬいぐるみが喋るという設定が途中で封印されていて、
最後に正体が明かされる。
主人公が最初からぬいぐるみの正体を分かっていて、
一緒に研修生活を乗り切る、みたいな方向の話でも
よかったような気がする。
ただ、それだと仲間との関係が希薄になってしまいそう
なのでやめたんだろうけど、なんかもったいなかった。



この作品で、フラダンスの全国大会があることを知った。
そんなに普及しているとは思わなかった。
社交ダンスとかフラメンコとか、日本人はどうしてこんなに
外国の踊りが好きなのだろうか。
他の国でも同じように普及しているものなのか、ちょっと
知りたい。
(だって日本舞踊が外国でそれほど普及しているとも
思えないし、ましてショーに取り入れられている国も
ないだろう)


踊りと同様に料理もそうで、これほど多様な外国がルーツの
料理を楽しむ国も珍しいのではなかろうか。



あと、ハワイアンリゾートではちゃんと正社員採用して
ダンサーを育てていることも分かった。素晴らしい。
でも引退したダンサーは実際どうしているのだろう。
みんなが結婚して退職するわけではないと思うが。


どうでもいいことだが、男性のファイアーダンサーたちの
雇用とか育成もどうなっているのかちょっと知りたかった。

*[映画]アイの歌声を聴かせて

平日のレイトショーで観客は10人ぐらい。

ヨイショ記事があったので貼っておこう。

www.excite.co.jpこの記事でも触れられていたが、土屋太鳳の歌がとにかく

よかった。ミュージカルとは知らなかったのでちょっと

驚きました。

 

 

一点、気になるところを言えば、野見山さんが妙に都合よく

目撃者になっているな、ということだろうか。

監督の若さと伸びしろを感じさせる映画でした。

仕事をしていない私が言うのも何だが、世の中どうしてこんなに

働かなければならんのだろう? 

便利な道具が発明されたのに、高度成長期より働かされてない

だろうか。

 

 

残業代を払うということは、労働基準法で定められた時間を

超えて働かせたことに対するペナルティである。だから通常の

時間給より割増されている。

 

 

経営者は、労働者が毎日元気に働けるように労務管理をしなければ

ならない。残業ばかりさせているということは、労務管理ができない

無能な経営者であるということだ。

 

 

そしてご存知のとおり、日本の経営者の大半は無能である。

本来、経営者になる能力がない人がその地位についている。

 

 

新自由主義者が信奉する市場原理がはたらくなら、無能な

経営者は淘汰されてしかるべきである。

なぜそうなっていないかというと、労働者を搾取して利益を

あげているからだ。

 

 

なので、自民党日本維新の会のようなネオリベたちは、

労務管理ができない経営者たちをどんどん交代させて、

より能力のある経営者を増やすべきであろう。

 

*[本]みかづき

何年か前にNHK高橋一生主演でドラマ化されたのを見たが、
いまひとつピンとこなかった。
いまあらためて読んでみると、学習塾のクロニクルになっていて、
これは時系列どおりにきちんと映像化した方がいい作品だった。
(たしかドラマは現代編が最初の方にあったと思う)


私も中学生相手に塾講師をしていた経験があるので、学習塾
あるあるをうなずきながら読んでいた。
著者の視点はもっと大きく、公教育との関わりについて描いて
おり、最近の教育格差まで視野に入れている。


なので、わりとポンポンと時間が飛んでいて、その間の物語も
読んでみたかった気がするが、それはないものねだりだろう。
それにエンタメ小説として振り切るなら、中学受験をメインに
書いたほうがいいが、それは本作の主題ではない。



中学受験といえば、先月から始まった「二月の勝者」を録画して
数週間遅れつつ見ている。


大都市圏の富裕層では、中学受験は当たり前のこととして語られて
いる。教育費も馬鹿にならない金額だ。


しかし、中学受験の勉強って意味はないと思う。
特に算数は、小学生の範囲でむりやり難しい問題を作って解かせて
おり、時間の無駄ではなかろうか。


中学受験を経て東大に入った人と、公立中学から公立高校を経て
東大に入った人とでコホート研究的な追跡調査をして、どんな
影響があるのかを調べてほしいものだ。