*[本]街道をゆく30 愛蘭土紀行Ⅰ

おそらく「街道をゆく」シリーズの最高傑作ではないかと
思われる。
海外編では、これまでモンゴル、中国、韓国、スペインを
旅しているが、なんというか文章のノリが違う。

 ともかくも19世紀のアジアにとって、当時の英国が、
いかに不快で、暴力的で、一面、魅力的で、さらには
思いだしたくもないような自己憐憫、自己嫌悪、劣弱感
という傷をいかに深くあたえた存在であったかについて、
いまの英国人は忘れているか、端から気づいていないに
ちがいない。(p 61)

こういうことをさらっと書いているのがうれしい。