2021-07-06 *[本]街道をゆく30 愛蘭土紀行Ⅰ 街道をゆく 30 愛蘭土紀行I (朝日文庫)作者:司馬 遼太郎朝日新聞出版Amazonおそらく「街道をゆく」シリーズの最高傑作ではないかと 思われる。 海外編では、これまでモンゴル、中国、韓国、スペインを 旅しているが、なんというか文章のノリが違う。 ともかくも19世紀のアジアにとって、当時の英国が、 いかに不快で、暴力的で、一面、魅力的で、さらには 思いだしたくもないような自己憐憫、自己嫌悪、劣弱感 という傷をいかに深くあたえた存在であったかについて、 いまの英国人は忘れているか、端から気づいていないに ちがいない。(p 61) こういうことをさらっと書いているのがうれしい。