- 作者:司馬 遼太郎
- 発売日: 2008/10/07
- メディア: 文庫
新潟県では、人民公社みたいな団体がいたが、40年以上経った
現在ではどうなっているだろう?
高野山では、高野聖について触れていて面白かった。
公認ではない坊さんが全国に散らばってお経をあげて日銭を
稼いでいたらしい。
立派な人もいれば、ろくでもない人もいたのだろう。
泉鏡花の小説だと、もっとロマンティックなイメージがあった
のだけれど、実際は水木しげるのねずみ男みたいな感じだろうか。
小諸城の懐古園にある大衆食堂では、ウェイトレスに声をかけても
返事もしてもらえない、という無礼なことをされる。
「街道をゆく」シリーズでは、ときどきこういう失礼なことをされた
エピソードが入っている。文章では鷹揚にかまえているのだが、こうも
何度も書いているということは、内心腹が立っていたのではないか。