Boaz2015-04-07

アニメ「寄生獣 セイの格率」が終わった。
原作のマンガは連載中に読んだきりだったので、細かい話はほとんど
忘れていたけれど、アニメを見て思い出した。


最初のビジュアルに違和感があったけれども、終わってみれば見事に
原作を昇華したアニメになっていた。
特にミギーを演じた平野綾は評価されるべきだと思う。
しかるべき賞の助演女優賞(男優賞?)に相応しい演技だった。



私は、寄生獣が80年代のデビルマンだと思っている。


人類の天敵と人間の融合体、という設定は、たくさんの作品で使われて
いるけれど、傑作に仕上がったのは数少ない。


寄生獣の場合は、パラサイトの造形のインパクトと、構成の緻密さが
素晴らしかったから、長く読み継がれる作品になったのだろう。



考えてみれば、マンガは人と人でないものの間に位置するキャラクターを
つくって、人間とは何か、ということをひたすら問うてきたのかもしれない。


鉄腕アトムは人間の心を持ったロボットだし、仮面ライダーキカイダー
機械と人間の、ウルトラマンは宇宙人と人間の融合体だ。


彼らは人間になれない/戻れない哀しみを背負っていた。
こういう孤独なヒーローは、いつの時代にも普遍的に求められているの
かもしれない。



そういえば、まどか☆マギカも、魔女と人間の中間に位置する魔法少女
という設定だった。
ある意味デビルマンの変奏だろう。


ワンピースは、普通の人間ではなくなってしまった哀しみ、というのは
あまり感じない。
ああいうカラッとした主人公が受け容れられたのは、特殊能力がプラスに
評価される世界観だからで、少年マンガらしい王道なのだろう。


同じ少年ジャンプでも、暗殺教室は、人類の天敵が中学校の先生という
設定でヒットしており、一捻りして面白い。


で、2010年代のデビルマンといえば、やはり「進撃の巨人」だろう。
人類の天敵と人間の融合体、という設定は、時代ごとに傑作を生み出す
のだな。