の日本史

〈女帝〉の日本史 (NHK出版新書 529)

〈女帝〉の日本史 (NHK出版新書 529)

日本の歴史の中で、女性の権力者はどのようなことをしていたのか、中国や
韓国の歴史も視野に入れながら論じたもので、面白かった。


私が何冊か原武史の本を読んで、ぼんやりと分かったことは、神功皇后
三韓征伐などの武勲の神話を、大正天皇の妻で昭和天皇の母であった貞明
皇后が踏襲していたことである。


本書は、貞明皇后が明治期に作られた国家神道に入れ込みすぎており、
その言動を昭和天皇も無視できなかったのではないか、という説を
補強するために書かれたのではないか、と思える。


そして、その説の先は、現在の皇室の皇后や次期皇后の雅子妃に向け
られている。


また、全く書かれてはいないのだが、雅子妃が皇后になったときに、
秋篠宮紀子との関係はどうなるのか、というのも気になるところだ。


天皇制は様々な制度や法律で縛られているものの、それを政治的に
利用する人々や天皇個人の資質によって、大きく変化しているし、
これからもそうなるのだろう。


それをどのようにコントロールするかを考えるためにも読むべき
一冊だと思う。



それにしても、男系男子の皇位継承者は少なすぎる。
秋篠宮悠仁の妻に男子が生まれないと、どうなるのだろう? 


誰か「僕の妻が男の子を産んでくれないと大変なことになる件について」
というハーレム展開のラノベを書いてくれないものだろうか。