- 作者: 今野晴貴
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/11/13
- メディア: 新書
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弁護士や社会保険労務士の実態を告発したものである。
私も不当解雇されたとき、地元の法テラスや有料の法律相談所に行った
が、けんもほろろの扱いをされ、何の頼りにもならなかった。
なので、弁護士どもは信用できないと思っているのだが、本書ではその
クズっぷりがこれでもかと描かれている。
なぜ難関の司法試験を突破して弁護士になったというのに、こんなこと
をするのか。
実は若手弁護士は仕事がほとんど回ってこないので、追い込まれてブラッ
ク弁護士事務所に入る人も多いのだそうだ。
米国では、法曹関係者は市場で淘汰されるから大丈夫だ、という言説が
あるが、日本では全く違う。
米国の司法制度を真似して、逆に社会が混乱しているのでは、と思う。
結局、弁護士に関しては情報が少なすぎて、誰がどんな訴訟を専門に
していて、どのくらいの料金がかかるのか、事務所に行ってみないと
分からない。口コミが頼りの世界である。
本書の最後の方にあるように、日本労働弁護団や過労死弁護団になら
安心して相談できるだろうけど、通常はその検索ワードが出てこない
だろう。
自分の身を守るためにも、ぜひ読んでおきたい一冊である。
↓
この本の中に、ブラック企業の一例として、とある不動産会社が紹介
されていた。各営業店舗に集音機能付きの監視カメラが設置されて
いて、会長がモニターで常に見ていたそうだ。
で、19時に店を閉めようとすると「やる気がないのか」とすぐに電話が
かかってくるような職場だったという。
この不動産会社の会長は、金儲け以前に、他人を思い通りに支配したい
欲望が強すぎる、異常な人だったのだろう。
まともな人なら、たくさんの営業所を一日中監視することに耐えられない
と思う。私なら他人の仕事をずっと見続けても、数時間で飽きてしまう。
ブラック企業経営者のほとんどは、金儲けも好きだろうけど、それよりも
他人を支配することが大好きな異常人格者なのではないだろうか。
そういう人が起業して、自分だけの王国を作って従業員を苦しめている。
小さな北朝鮮が無数にあるような状態である。
独裁国家は糾弾されても、独裁会社は放置されている。
どうしてなのだろうか?