やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8巻

感想を書くのが難しい。
というのも、奉仕部の物語としては特に進展がないからだ。
生徒会の選挙をめぐって3人が分裂し、また表面上はひとつに
戻る。ひとことで言えばそれだけの話だ。


が、おそらく9巻では雪ノ下雪乃から始まるカタストロフィが
展開するのだろう。そのための長い長いプロローグとも言える。


もうひとつ思ったのは、作者の女性嫌悪である。
なんというか、狡い女の子のカタログみたいになっている。
本文の311ページでは

 一色には幼さやあどけなさをうまく利用する小賢しい部分がある。それは
俺の妹、比企谷小町も持ち合わせている。けれど、可愛らしさや可愛さその
ものが足りていない。故に、一色いろははまったく可愛くない小町に例える
ことができる。


 外面と計算と言えば、雪ノ下陽乃だ。だがそれには遠く及ばない。故に、
一色いろはは劣化陽乃さんと言える。


 ふわふわした感じ。あれはめぐり先輩によく似ているが、根本的に別種の
ものだ。故に、一色いろははニセめぐりである。


 ちやほやされたいという願望は、わりと相模に近いかもしれない。だが、
相模よりは器用そうだ。故に、一色いろはは超強化相模みたいなものだろう。


 自分をキャラクターづけし、それを保持しようと努める行動原理が折本
かおりと近しいということはかつて思ったことでもある。故に、一色いろは
タイプ別折本である。

と、これまで登場した女性キャラを例にあげて、一色いろはという
女の子を分析している。


主人公側にいない女性たちは、それぞれ嫌なタイプの女の子である。
そして雪ノ下陽乃を除いて、全員が復讐されている。
いや、正確に言うと、主人公は物語の中で彼女たちを助けているのだが、
作者が物語の外側から断罪しているのだ。


なので、この話の中ではモンスター級の悪役である雪ノ下陽乃も、
いずれ作者の手で裁かれるときが来るだろう。
そうでないと物語の帳尻が合わない。


来年の春ぐらいには、たぶん9巻が出るだろう。
それがとても楽しみだ。
そしていつか原作が完結したら、アニメの2期を製作してくれると
嬉しい。