フルーツひとつばなし

「植物はすごい」の著者が、日本の産出額順にフルーツの話をして
くれる、学校図書館にぜひ欲しい一冊である。
カラー図版もきれいで、子供が絶対に喜ぶだろう。


果物と野菜を分けている理由も解説してある。

 農林水産省の『農林水産統計用語事典』では、「野菜とは食用に
供し得る草木性の植物で加工の程度の低いまま副食物として利用され
るもの」と、定義されています。それに対して、果物については、
「果樹は、木本性などの永年作物のことをいい、その実を果実という」
としています。


 スイカは、木ではないので、木本性の植物ではありません。農林水産省
の定義に従うと、スイカもイチゴも野菜になります。しかし、スイカ
イチゴも、果物屋さんで売られており、果物として流通しています。
食品の栄養成分を記載している『食品成分表』(女子栄養大学出版部)でも、
イカとイチゴは、野菜ではなく、果物として扱われています。


 そこで、農林水産省は、「野菜」をいくつかに分類し、スイカ、イチゴ、
メロンなどを「果実を食用とする野菜」という意味で「果実的野菜」として
います。


つまり、一年では枯れない樹木になっているものを果実といい、くだもの
と分類し、基本的に一年で枯れてしまうものを野菜と分類している、と
いうことか。
こういう分類はアップデートされないものなのだろうか。


この、野菜か果物かの分類は、実は地図記号にも影響している。
畑の地図記号と果樹園の地図記号は違うからだ。
では、パイナップルは野菜か果物か? 
その種明かしは、本書の104ページをご覧頂きたい。
きっと誰かに豆知識自慢したくなるだろう。