ダムナティオ・メモリアエ

今日ネットで新しく知った言葉「ダムナティオ・メモリアエ」。
古代ローマ時代の元老院への反逆に対する記録抹殺刑のことだそうだ。


この言葉を見つけたきっかけは、ヘロストラトスという人物だった。
こいつは紀元前356年に、有名になりたいというだけでアルテミス神殿に
放火したらしい。


裁判でも、放火の事実を認めたばかりか、これで俺の名前は未来永劫かた
り伝えられるだろう、とうそぶいたという。
そこで、市民たちはヘロストラトスを死刑にするとともに、その名前を言
った人間も死刑にすることにして、もとからいなかったことにした。
これが記録抹殺刑というわけだ。


しかし、現代の私がヘロストラトスという名前を知っているということは、
記録が完全に削除されてはいないということで、結果的に犯人の野望は叶
えられていることになる。
この名前を知ってしまったことが、なんだか悔しい。


日本でも金閣寺に放火した奴がいて、三島由紀夫が小説にしたけれど、犯
人の名前はほとんど知られていない。ググればすぐに分かるけど。


有名になりたいという動機でとんでもないことをした犯罪者は、自らが死
んでも名前は残るということか。
よい子のみんなは真似しないでね、と言うしかない。