名前についてまた気になることがあった。
推理小説のシャーロック・ホームズシリーズを愛好する人のことを“シャー
ロキアン”ということは知っていたが、これは米国や日本での言い方で、
本場の英国では“ホームジアン”と言うらしい。
苗字をとるか名前をとるか、どちらでもいいような気もするが、なぜ日米
では名前を、英国では苗字を選択したのだろう?
私はどちらかというと、苗字をとる方がいいのではないかと思う。
例えば、金田一耕助シリーズ愛好者のことは、金田一ファンというのが自
然だろう。耕助ファンというのはピンと来ない。
しかし、シャーロックという名前は欧米ではどのくらい一般的かというと、
私には全く分からない。
非常に珍しい名前だとしたら、シャーロキアンでもいいかもしれない。
同様に、ホームズという苗字がありふれたものだとしたら、そちらを避け
て名付けられたのかもしれない。
ちなみに、架空の名探偵というのは、だいたいどこの国にも存在するもの
なのだろうか?
私はフランスのメグレ警部ぐらいしか知らない。ドイツやイタリアにも、
それに相当する架空の探偵がいるのかもしれない。
そういや、米国はどうなのだろう。刑事コロンボはテレビドラマの探偵だ
が、小説でいうとフィリップ・マーロウとかエラリー・クイーンがそうな
のか。
最近の小説からは、誰でも知っている名探偵は生まれているのかどうかも
分からない。
小説というよりは、古畑任三郎のように、テレビドラマから有名になった
キャラクターがほとんどのような気がする。
「ガリレオ」シリーズの湯川助教授が、小説からテレビドラマになって人
口に膾炙した例か。もっとも彼は探偵を職業としているわけではないが。