児童九官鳥化計画

これは英語教室の研修で恨みを持ったオッサンの個人的な見解である。


小学生に英会話を習わせるのは、九官鳥に言葉を教えるのと同じだ。
九官鳥が「オハヨー」などと喋るのは、別に九官鳥にとっては何の意味もない。
ただエサがもらえるからやるのだ。


では、誰がハッピーになるのかといえば、飼い主である。
英会話教室の場合は、保護者になるだろう。
子供がきれいな発音で「elephant」などと言えると、あらこの子は英語が喋れるようになった
と勘違いするが、あれは九官鳥の「オハヨー」と一緒である。


多くの九官鳥が「オハヨー」などカタコトの日本語を覚えたとしよう。
九官鳥どうしが会話(?)するとき、日本語でするだろうか。しない。
それはすでに九官鳥が習得している、鳥類のコミュニケーションの方が便利だからである。


同様に、カタコトの英語を覚えた子供どうしが、ふだん仲間どうしのコミュニケーションを英
語でするか。しない。日本語の方が便利だからである。
そして、おそらく子供たちが英語で会話しなければならない状況に置かれることは、ふつうは
ないだろう。


私はこんなことにお金や人を使うのが、本当にバカらしいと思うのだが、世の中の人はそうで
もないようだ。
学校では、すでに小学生に簡単な英会話を教えている。


一日に数時間、米国人のモノマネをしたところで、それ以外は日本人として過ごすのだ。
英語なんて忘れて当然である。
こんなことに時間とお金を費やすぐらいなら、友達と遊んでいた方がよっぽどコミュニケーショ
ン能力(というものがあれば)がつくと思うのだが。


親は自分の子供が九官鳥扱いされていることに、もっと怒っていいはずだ。
なのに、ペットが芸を仕込まれているのをニコニコしながら見ている。
子供向けの英会話教室が繁盛しているのは、こういうバカが多いからだろう。
お気の毒なことです。