前厄

来年は前厄だそうだ。
厄年が来るなんて、遠い未来のことかと思っていたが、もう奴は目と鼻の先で、不敵な笑みを浮
かべて待っているらしい。


神社からのハガキによると、お正月にお祓いを受ければ厄落としになるらしい。
その金額が5000円、7000円、1万円、1万5000円の段階に分かれている。
お札の大きさが違うらしい。


お金を多く納める方がいいみたいだが、こういうのは気の持ちようなので、私は5000円コースに
しようと思う。
まあ、そんなことを言うんだったら、厄年なんて信じず、お祓いを受けなければいいんだけど。


それにしても、5000円から7000円という段階が人の心理を突いている。
一番安いのでは効き目(?)がないのだろうか、と思わせて、でも1万円はちょっと出しすぎかな、
と警戒させ、そのふたつの迷いの落としどころとして7000円があるわけである。
労せずして2000円が多く懐に入るわけだから、神社もウハウハだろう。


月刊アフタヌーンに、神社の内情を詳しく描いたマンガが連載されており、途中まで面白く読ん
でいた。マンガのタイトルも作者の名前も忘れてしまったが、あれは単行本が出ているのだろう
か。


この時期は書き入れ時だから、きっと目の回るような忙しさだろう。
クリスマスなどには目もくれず、巫女さんのアルバイトの教育とか、御札作りとかをしているの
だと思う。


それはともかく、前厄になる直前に原因不明の肩こりが起こるのが不思議である。
これはやはりお祓いを受けなければならないのかもしれない。
5000円コースを受けて、万が一何かあったら、そのときはそのときのことだ。