フラガール

松山では毎年この時期に「松山映画祭」という催しがあり、映画ファンがもう一度見たいと
思う作品や、主催者が企画した特集プログラムを上映している。
フラガール」はその中の一本だった。


以前どこかのブログで、「フラガール」についてネガティブな評価の記事をたまたま読んで
しまい、見に行きたい気持ちがしぼんでしまった。
そのまま一年が経ってしまい、今回も見送ろうかな、と思っていたのだが、やはり自分で確
かめないといかん、と見に行くと、不覚にも涙を流してしまうほど良かった。


私も映画やドラマの感想で、ついネガティブなことを書いてしまうことがあるが、誰も読んで
いないにせよ、できるだけ良いことを多く書こうと思った。
面白いかどうかは、自分の目で確かめないといかんです。


私はこの映画を、松雪泰子が主役の物語として見た。
すごくいい役をもらって、全力で演じていたと思うが、不思議なことに各種の映画賞では、助演
蒼井優が賞を総なめにしており、松雪泰子はスルーされている。
確かに蒼井優もよかったが、松雪泰子が評価されないのは納得いかない。


ただ、借金のエピソードは必要だったのか疑問だ。モデルになった女性には借金の事実はなか
ったそうだし、最後も借金取りがどうなったかは曖昧なままだ。
ああいかん、またネガティブなことを書いてしまった。


私が泣いてしまったのは、夜汽車に乗って東京に帰ろうとしている松雪泰子に、蒼井優らが
フラダンスの踊りで想いを伝える場面である。
この映画屈指の名シーンだった。


あと、蒼井優の親友で、親父に殴られ髪の毛を切られてしまう役の子(徳永えり)がちょっと
いいな、と思ったのだが、劇中で彼女たち親子は炭鉱をリストラされ、夕張へ引っ越すのであ
る。
その後の運命を思うと、胸がつまる。


キャスティングもブレがないし、フラダンスもよほど特訓したのだろう、見事な出来だった。
フラガール」のような佳作が高い評価を得ているのは、まだ観客の目も腐っていないという
ことだろう(と思いたい)。


本当は、こういうテイストの映画は、シネカノンではなく松竹が制作するべきだったと思うけど。


本文と写真はまったく関係ありません

ハワイヤ〜ん娘。