コミックヨシモト

コンビニにコミックヨシモトがあったので立ち読みしてみた。
島田紳助原作のマンガは、そこそこ面白そうだったが、後はちょっとなぁ‥‥という感じだ。
千原ジュニアの「14歳」をマンガにしたのは、あれでよかったのかどうか。
そういえば、ギャグマンガとして笑えるものはなかった。いいのか、吉本興業? 


マンガの市場も、一般雑誌と同様に縮小しつつあるのに、なぜ新規参入するのだろうか。
マンガは、芸人と同じく、一発当てれば金持ちになれる夢があるのだから、若者の参入意欲は
まだあるはずだ → 吉本興業が作ったNSCからは、何人もの売れっ子芸人が出ている →
だったらマンガも、と思ったのかもしれない。


それなら、芸人に原作を書かせるのではなく、一からマンガ家に作品を描かせるべきだろう。
そうやって新人を育てていくうちに、編集者のノウハウも蓄積されるのは、芸人とマネージャ
ーの関係と同じだと思う。


また、コミックス(単行本)で儲けようと思っているのなら、ちょっと甘いだろう。
というのも、コミックヨシモトは、電車や定食屋で読み棄てるぶんにはちょうどいいが、単
行本で手元に置きたいほどのクオリティはないからだ。


今年の3月に創刊されたコミックチャージもそうだが、これまでにない新しいタイプのマンガ
を作ろうとはせず、手堅く売れそうな雑誌に仕上げている。
商売なのだから当然だろうが、冒険をしないでどうするんだろう、と思う。


むしろ、そういうノウハウはアフタヌーンやモーニングを出している講談社が持っているので
はないか。あるいはIKKIを出している小学館とか。
マンガのフロンティアは彼らが切り開いていき、後発のマンガ雑誌は読者の記憶に残らないよ
うなものばかりという気がしてならない。


もしかしたら、この10年ぐらいで起こっている教養の二極分化が、マンガの新人にも影響を及
ぼしているのかもしれない。
知っている人はものすごく知っているけれど、知れない人は何も知らない、という現象が、あ
らゆる創作活動を痩せさせているとしたら、ちょっと怖い。


歴史がフラットになってしまったせいで、例えば「がきデカ」とか「天才バカボン」の後期とか
伝染るんです」なんかを、過去のものだから全く意味がないと思って読まない若者はけっこ
ういるだろう。


あるいは、中途半端に詳しい人が、あれはなんとかのパクりだよね、と賢しらにネットで指摘
する状況は、ふつうにあるような気がする。


吉本興業は儲けているんだから、よそで断られたような危ないマンガをどんどん拾ってきて、
こんなの載せていいのかなぁ、と読者に思わせるような雑誌作りをしてほしい。
異業種からの参入なんだから、それくらいやってマンガ業界全体を活性化させてほしいもので
す。